日本情報振興協同組合(JIA)中部支部(宮下恒昭支部長)は、10月19日、地域企業とのビジネスマッチングを目的としたイベント「JIA ビジネスフェア 2012 in 中部」を名古屋市で開催した。コクヨマーケティング(西川弘高社長)が協賛し、日本情報技術取引所(JIET)東海支部、石川県情報システム工業会、中部アイティ協同組合の後援を得た。

 イベントでは、中部地方の企業を中心に、34社が展示会に出展し、それぞれの製品・サービスを来場者に対してアピールした。ここでは、出展社から10社を紹介しよう。

■ユーアイウッド
 名古屋のシステム開発会社、ユーアイウッド(高木秀明代表取締役)は、日本クラウディア(吹戸尚之代表取締役)が提供するSaaS型のリスティング広告の不正クリック対策ツール「X-log Ver.2」を紹介した。高木代表取締役は、「『X-log Ver.2』は、悪意のある第三者の不正アクセスを遮断するだけでなく、ホームページを訪れたユーザーとチャット形式でリアルタイムにやりとりできる機能を実装している。電話だとサービスコールをためらってしまうことがあるが、チャットであればユーザーも問い合わせしやすい」と説明した。

ユーアイウッドの高木秀明代表取締役

■文献社
 書店向け基幹システムを手がける岐阜県の文献社(伊藤文夫代表取締役)は、自社開発の書店向けPOSシステム「BB-WIN」や在庫管理クラウドサービス「書店WEB」を活用した「書店コミュニケーションPOS」のコンセプトを紹介。宮下恒昭システム営業部長は、「例えば、これまでの書店の会計では、レシートにお勧め商品の情報を印字してユーザーに案内していたが、それは顧客一人ひとりのニーズを考えていない一方通行のコミュニケーションだ。『書店コミュニケーションPOS』では、ポイントカードの情報を利用して、会計時に顧客のニーズに合った商品を提案する。POSがワン・トゥ・ワン・マーケティングを実現する」とアピールした。

文献社システム営業部の吉村英仁氏(左)と宮下恒昭システム営業部長

■ウェブサーブ
 名古屋の受託ソフト開発会社であるウェブサーブ(鈴木孝裕代表取締役)は、給与計算の効率化だけでなく、未払い残業代の請求対策や社員の健康管理までに対応した勤怠管理・就業管理システム「BIZWORK+」を紹介。鈴木代表取締役は、「ほとんどの企業が、残業代を一部しか支払わないなどのコンプライアンス上の問題を抱えているが、グレーゾーンをため込むことは企業にとってマイナスだ。『BIZWORK+』を導入して、問題解決に取り組んでもらいたい。一般的に、勤怠管理システムを導入するのには数千万円かかるが、『BIZWORK+』は、規模の大きさにかかわらず、75万円で導入できる」とアピールした。価格が安いのは、導入をきっかけに事業の発展を狙っているからで、別の分野での受託ソフト開発の案件につなげる戦略だという。

ウェブサーブの鈴木孝裕代表取締役

■アイガ
 ATMなどのシステムメンテナンスを手がけるアイガ(坂井徹CEO)は、企業のSNS(ソーシャルネットワークサービス)活用に向けたセミナーを案内していた。13年1月からは、SNSプランナーの育成サービスとして本格的な提供を開始する。坂井CEOは、「SNSプランナーの育成は、まだ名古屋ではどこもやっていない領域だ。一番になることを意識している。将来は、企業のSNS運用を受託したい」と意欲をみせた。アイガは、自社の採用活動でもSNSを活用。ここ数年間で約40人を採用したが、現在まで離職者は1人だけで、SNSが功を奏しているという。

アイガの坂井徹CEO
■シジャム・ビーティービー
 中小企業を中心に企画から運用までのSI(システム・インテグレーション)を展開するシジャム・ビーティービー(加藤代表取締役)は、ゴルフコンペ盛り上げツール「ゴルフなう」を展示した。タブレット端末にスコアを入力することで、リアルタイムに順位を確認することができ、ユーザーはいちいちスコアを計算する必要がない。加藤代表取締役は、「ゴルフ業界では、いまだに手書きでスコアを計算するのが主流。自身のゴルフ体験で不便を感じて『ゴルフなう』を開発した。タブレット上でアテストを入力することもでき、スコア計算の負担を軽減する。全国のゴルフ場に広げたい」とアピールした。

シジャム・ビーティービーの加藤代表取締役

■エスケイワイ
 小売業向けのPOSシステムを提供しているエスケイワイ(山田一八代表取締役)は、次世代型POSシステム「ポス・キューブ」をアピールした。専用のPOSレジやハンディを必要とせず、スマートフォンやタブレット端末などによるインターネット経由での会計やオーダーを実現したPOSシステムだ。山田代表取締役は、「小さな小売店は、高価なPOSシステムを購入するだけの資金をなかなか捻出できないもの。『ポス・キューブ』では、POSレジやハンディターミナルを購入する必要がないので、リーズナブルで使いやすい。フルセットでも約80万円だ。POSシステム市場では大手企業が寡占価格を維持しているが、そこに革命を起こしたい」と話した。

エスケイワイの山田一八代表取締役

■ワークシステム
 婚礼・宴会・衣裳向け基幹システムを展開する静岡県のワークシステム(佐々木克美代表取締役)は、自社システム「キャックル」を顧客が活用して、通常は825分かかる挙式までの打ち合わせ時間を54分まで短縮した例などを紹介した。佐々木代表取締役は、「12月には『キャックルウェブサロン』を発売する。これは、iPadを利用して顧客に基本情報を入力してもらったり、アンケートに答えてもらったりするもの。婚礼・宴会のプランなどを見やすく表示するパンフレット機能も搭載している。既存の基幹システム『キャックル』と連携するので、情報を管理しやすい」と強化ポイントを語った。

ワークシステムの佐々木克美代表取締役(左)と営業部の鈴木達也課長

■ミヤズ
 受託ソフト開発を中心に展開する豊田市のミヤズ(松坂一雄代表取締役)は、自社開発の伝票発行管理ソフト「売上くん」を紹介。バージョンアップで追加したマスターデータの絞込み検索機能をアピールした。松坂代表取締役は、経営戦略について、「事業領域の拡大や規模の追求はもうやめた。中小企業にとって、失敗したときのリスクが高いからだ。そのかわり、ニッチな分野での活動に専念している。運用管理だけでなく、当社製品以外についての相談にも真摯に応じて、既存顧客とのかかわりを深めている。そのため、景気が悪くなっても、業績は下降していない。今後は『売上くん』を全面刷新して、この市場での顧客を増やしていく」と説明した。

ミヤズの松坂一雄代表取締役(左)と松坂一範技術担当

■データーランド
 製造業向け販売管理システムの開発や、幅広いIT商材の販売を手がける長野県のデーターランド(市瀬彰一代表取締役)は、画像処理機能を備えた小型カメラや予備電源装置など、開発企業向けのソリューションを展示。市瀬代表取締役は、長野県内の景況感について、「受託ソフト会社は内向きな面があって、営業に対する姿勢は消極的になりがちだ。当社は、長野県の製造業がここ1年落ち込んだことを考慮して、関東や名古屋などの県外に積極的に営業をかけて、案件を獲得している」と話した。

データーランドの市瀬彰一代表取締役

■ソフトギア
 伊藤電工の販売子会社であるソフトギア(伊藤雅基代表取締役)は、建築業向けの営業情報運用ソフトウェア「成約くん」を紹介。受注する可能性をパーセンテージで表して営業情報を数値化することで売り上げを先読みし、それにもとづいた対策と行動を取ることで営業受注率の向上に寄与するソフトだ。伊藤代表取締役は、「売り上げの先行管理は重要だ。『成約くん』では、18か月先の売り上げまで予想できる。成果を先読みすることで、売り上げが伸びる確率は間違いなく向上する。また、営業情報を入力すれば、営業日報の代わりにもなるので、負担を軽減することができる」とアピールした。(真鍋武)

ソフトギア マーケティンググループの太田浩司氏(左)と伊藤雅基代表取締役