ソフトバンクBB(孫正義社長兼CEO)は、クラウドサービスを拡充する。3月中には、日本マイクロソフトが「Microsoft Office 365」で展開する「シンジケーションパートナー制度」に参画。「Office 365」を中核にして、同社の強みである通信関連などの付加価値サービスを合わせて販売する。2007年に開始したクラウドサービス「TEKI-PAKI」(テキパキ)」などを強化し、今回の新サービスを加えて、販売パートナー経由でユーザー企業に提供する。

本多晋弥
統括部長
 「シンジケーションパートナー制度」は、マイクロソフトが「Office 365」の発売に合わせて開始したパートナー戦略の一環だ。ソフトバンクBBは、昨年後半から法人向けiPadなどスマートデバイス用をはじめとして、130種類以上あるクラウドサービスの販売が急激に伸びていることや、「マイクロソフトのOffice製品が揃うタイミングで、機が熟した」(本多晋弥・MD第1統括部長)と判断して、この時期の参画を決めた。

 中堅・中小企業(SMB)やSOHOを対象とする。これら企業に対して安価なクラウドサービスの環境を整備し、IT利活用を充実する。ユーザー企業は、付加価値サービスを比較して選ぶことができるが、国内企業の場合は、パートナーベンダーの支援を受けなければ導入が難しいため、クラウドサービスの卸販売の形式をとる。

 クラウドサービスは、ソフトバンクBBとユーザー企業の直接契約になる。同社と販売契約するパートナーは、同社経由でクラウドサービスを販売すると、サブスクリプション(期間単位の契約料)で得られる月額料金の一部が支給される。

 ただ、「SMBとSOHOを対象にしたクラウドサービスで儲けることはできない」(本多部長)とみている。法人利用のiPad向けなどで実績のある仮想デスクトップやモバイルデバイス管理(MDM)、メールアーカイブ、またパソコン、通信回線、導入サポートなどを加え、「売りやすいサービスをクロスセルすることで、1案件を大きくすることができる」(同)と、パートナーのクラウド・ビジネスの拡大に貢献するかたちをつくり上げる。(谷畑良胤)