大阪のソフトウェアベンダー、eBASE(常包浩司社長)は、イオングループのプライベートブランド(PB)の企画・開発会社であるイオントップバリュ(仲矢長蔵社長)が、eBASEの品質管理クラウドサービス「FOODS eBASE Cloud」を採用し、2月末に本格稼働を開始したと発表した。

 イオントップバリュは、「FOODS eBASE Cloud」をPB商品の企画・開発・生産・販売関連のトータルな品質管理システムに据えて、原材料メーカーや製造委託先、品質検査会社から、イオンのGMS(総合スーパー)事業を担うイオンリテールを含む小売までを一元的につなげた。また、クラウドによるワークフローシステムで、サプライチェーンの業態が異なる企業間で商品・品質情報の電子申請・承認機能を含む一貫した運用を実現した。

 「FOODS eBASE Cloud」は、イオングループ以外では、これまで食品メーカー134社が導入。イオントップバリュでの採用は、このなかでも最大規模だ。eBASEは、2012年8月から東京と大阪でイオントップバリュの製造委託先企業に対して、月3回、商品情報の入力操作説明会を実施し、2月末に垂直立ち上げで本番稼働した。

最大規模のクラウドサービス納入を発表したeBASEの窪田勝康取締役

 導入にあたっては、「FOODS eBASE Cloud」がセールスフォース・ドットコムのエンタープライズクラウド基盤「Force.com」上に構築した「トップバリュ」の商品全点の情報を集約し、企画から販売までのプロダクトライフサイクルを一元的に管理する「PLMシステム」ともシームレスに連携(シングルサインオン)した。eBASEの窪田勝康取締役は「『FOODS eBASE Cloud』ですべてのPB商品をつくるまでのワークフローを担い、セールスフォース上のクラウドで完成品の管理を行う」と、両クラウドサービスで最適な環境を整えることができたと語る。


 イオントップバリュは、自社で生産設備をもたず、外部の製造企業に委託するファブレス会社ではあるが、食品業界で義務づけられている製造物責任や品質管理などのコンプライアンス(法令遵守)が求められる。しかし、製造委託先企業にはITに不慣れで投資余力がない中堅・中小企業が多く、発注先のイオントップバリュ側でもシステム投資がかさむために、一般的なクライアント/サーバー型システムではコンプライアンスの実現が困難だった。


 eBASEによれば、イオントップバリュは、食品の品質管理関連だけでなく、洗剤や化粧品などの非食品・家庭用品についても、eBASEのソリューション「GOODS eBASE Cloud」を用いた全商品の品質管理システムを近く展開する計画だという。(谷畑良胤)