セキュリティメーカーのウェブルート(伊藤誉三社長)は、SMB(中堅・中小企業)への拡販を本格化する。今年春から販社を開拓し、新規顧客を獲得する体制を整備している。クラウドサービスを武器にユーザー企業を増やし、今年度(2014年7月期)の売上高を前年度比2~3倍に引き上げる。

伊藤誉三
社長
 ウェブルートが獲得した販社は、シネックスインフォテックやトライポッドワークスなど約10社。販社を獲得したことによって、従業員500人未満のユーザー企業を対象に新規顧客を開拓できる体制を整えた。伊藤社長は、「まずは、250~500人のユーザー企業をボリュームゾーンと捉えてクラウドサービスの提供拡大を図っていく。また、250人未満のユーザー企業もセキュリティが万全ではないぶん、増やしていける可能性は十分にある」とみている。

 同社のセキュリティ製品は、ウェブフィルタリングやフィッシング、アプリケーション評価など、クライアント端末を保護するもの。これまではコンシューマ向けにパッケージソフトで提供するのがメインだったが、ワールドワイドで2年前からソフトに搭載していた機能をすべてクラウドサービスで提供することに転換。これを受けて、日本では昨年春から法人事業を本格化することになった。その前までは、法人事業としてNECにOEM(相手ブランドでの供給)で提供するなど、表立って製品を提供するケースが少なかった。伊藤社長は、「SMBへの販売は当社が直販で行っていたが、思うように売り先を開拓することができなかった」と認める。

 クラウドサービスによってユーザー企業が安価に導入できる環境を構築したことから、販社の開拓に乗り出したわけだ。

 ワールドワイドでは、昨年度の売上高が前年度の約2.7倍に伸び、SMBのユーザーが1年間で3倍に増えたという。日本は、「法人事業は堅調に拡大しているが、SMBを開拓しきれていなかった。販社体制が整ったことで、今年度は前年度の2~3倍に伸ばすのは固い」と自信をみせている。 (佐相彰彦)