クロス・ヘッドグループのICT(情報通信技術)ベンダーであるエヌ・シー・エル・コミュニケーション(NCLC、関根尚社長)は、ソフトウェアでネットワークを制御するSDN(Software Defined Networking)の事業拡大に取り組む。2015年をめどに、SDNの構築/アプリケーション開発の需要が本格化するとみて、市場開拓に向けての啓発・提案活動を推進していく。現在、SDNの事業化を進めているのは、NTTデータやNECなど、大手が中心。そんななかにあって、小規模プレーヤーであるNCLCの動きが目立っている。

関根尚 社長
 NCLCの従業員数は約30人。ITサービスを手がけるクロス・ヘッドのグループ会社として、セキュリティやSDN製品の輸入・販売と、それらのインテグレーションを行っている。

 2012年5月に、SDNの標準技術であるOpenFlowに対応したスイッチ「PICA8」の取り扱いを開始。インターネットサービスプロバイダや大学、研究所など、大規模なネットワークを運用するユーザーを中心に提供してきて、これまでおよそ500台の導入実績を積み上げてきた。

 同社はこうした実績を踏まえて、機器販売の延長線上にあるSDNの構築サービス、セキュリティやトラフィックの負荷分散といったSDN上で動くアプリケーションの開発に力を入れていく。ソフト/サービスを主な商材として、SDNのコストメリットや柔軟なネットワーク構成を訴求し、本格的な市場開拓を目指す。

 日本では、現在、グーグルジャパンなど、ネットワークを運用する大手のユーザー企業はSDNを自社で構築して活用に乗り出している。しかし、その下のレイヤーにあるクラウド事業者や通信キャリアは、まだSDNの実証実験を行っている段階にある。

 NCLCの関根社長は、「2015年をめどに、クラウド事業者や通信キャリアもSDNの本格使用に踏み切るだろう。それに伴って、SDN構築やアプリケーション開発に関しての需要が生まれる」と予測する。SDNの構築力を磨いて、他社に先駆けて提案活動に取り組もうとしている。

 SDNの登場は、ハードウェアメーカーの通信機器を販売するネットワークインテグレータに、ビジネスモデルの再編を促す。関根社長は、早い段階からSDNビジネスに注力することによって、市場環境の変化への対応を急ぐ。(ゼンフ ミシャ)