サイボウズ(青野慶久社長)は、2013年度(13年12月期)の下期にかけて、クラウド事業への投資を強化している。上期の連結業績で営業利益が5億5800万円だったことから、通期では10億円前後を見込むが、この大部分を投資につぎ込む。イベントやセミナー、広告などの販促を強化するだけでなく、開発者向けの技術情報サイトを公開。さらに、営業拠点を拡充した。

青野慶久 社長
 サイボウズは、2008年度から12年度にかけて、通期の連結売上高が落ち込んでいた。しかし、13年度は上期の時点で売上高が25億5500万円、営業利益が5億5800万円となり、昨年度を上回るペースで業績を積み上げている。通期では、売上高48億7000万円を見込んでいる。

 この背景には、クラウドサービスの販売が好調なことがある。例えば、情報共有PaaS「kintone」は、11年11月に提供を開始して以来、「すでに約800社が採用していて、最近では、中堅・中小企業(SMB)だけでなく、大企業のユーザーが増えてきている」(青野社長)という。また、クラウドサービスの提供に特化している中国現地法人の才望子信息技術(上海)の顧客数は350社を超え、単年度の売上高は1億円に達した。

 業績が順調なことから、クラウド事業への投資を強化。「順当にいけば、13年度の通期連結決算で10億円前後の営業利益を出すことができるが、この大部分を投資に当てる。そのため、通期の連結業績予想では、営業利益を6000万円とした」(青野社長)。

 イベントやセミナー、広告などの販促のほか、「kintone」のデベロッパー向けにAPIドキュメントやSDKを提供するサイトを開設。「デベロッパーサイト内にコミュニティをつくったり、提供する機能を拡充したりして、単なるお手軽ツールとしてではなく、『kintone』上でパートナー企業がスクラッチ開発しやすい環境を整える」(青野社長)。さらに、営業拠点を拡充。8月1日には福岡、8月15日には名古屋にオフィスを開設した。また、年内には米国と中国での「kintone」の販売も予定している。

 青野社長は、「クラウドはストックビジネスだ。目先の利益を追う必要はない。すでにある程度顧客を獲得できており、投資にリスクはあまり感じていない。顧客の反応がいいうちに、できるだけ多く販売したい」と意欲をみせた。(真鍋武)