BCN(佐藤敏明社長)は、10月31日、社内にセミナールームをオープンしたことを記念して、「BCN PowerOn セミナー『モバイルソリューション提案のヒント』」を開催した。SIerやISV、ディストリビュータなどが参加し、新たなビジネスのヒントを探して熱心に聴講した。

 基調講演は、デロイトトーマツコンサルティングの千葉友範マネジャーによる「タブレットはなぜ売れない? 使われない? ~タブレット市場総ざらい~」。タブレット市場や、企業のタブレット端末導入動向などの概略を説明し、タブレットソリューション提案のヒントを提示した。

 千葉マネジャーは、「個人・法人向けとも、タブレット端末は出荷台数ベースでは急成長している市場だが、実際に稼働しているのは全出荷台数の6~7割程度。スマートデバイスの利用者は、2016年時点でも全体の28%にとどまるとされ、これを多くのITベンダーが食い合うことになる」と指摘。一方で、「隠れBYOD(個人端末の業務利用)によるシャドーITが増え、これを含めると仕事でのスマートデバイス利用者は倍増する」とも話し、タブレット端末関連のビジネスは、会社支給の端末を販売するというモデルから、BYODの拡大とシャドーITの増加を前提としたソリューション販売にシフトすべき、と説いた。

 さらに、こうしたトレンドによって、ユーザー企業の意思決定者が情報システム部門からユーザー部門に変わっていくことも説明。「ユーザーのペルソナを理解したうえでシステムを提案していかなければならない」と、営業活動やマーケティングのポイントを解説した。

デロイトトーマツコンサルティングの千葉友範マネジャー

 続いて、具体的なソリューションごとに、三つのセッションを展開した。「ファイルサーバ管理者を突破するモバイルソリューション提案」をテーマに講演した鉄飛テクノロジーの岡田国一代表取締役は、文書共有ソリューション「FileBlog」を紹介。社内のWindowsファイルサーバー環境をウェブに公開して、スマートデバイスなどのあらゆる端末からアクセスできるようにする技術で、全文検索機能を使って目的のファイルを簡単に見つけることもできる。「ファイルサーバーのリプレース時などは、とくにユーザーから受け入れられやすい」と説明した。

鉄飛テクノロジーの岡田国一代表取締役

 トレンドマイクロ エンタープライズマーケティング部の転法輪浩昭プロダクトマネージャーは、モバイルセキュリティ製品「Trend Micro Mobile Security」の実績と導入事例を披露した。MDMから不正プログラム対策、アプリケーション管理、Exchange Serverへのアクセスコントロールまでを一元管理できるメリットがある。これまで、KDDIが1万5000台導入したほか、サントリーや福井大学医学部付属病院などでの採用実績がある。転法輪プロダクトマネージャーは、「MDMだけでは、モバイルセキュリティは不十分。『Trend Micro Mobile Security』は、スマートデバイスの利便性と安全性の両立を実現する」と、製品のポテンシャルを強調した。

トレンドマイクロ エンタープライズマーケティング部の転法輪浩昭プロダクトマネージャー

 また、iOS/Androidに対応したビジネス・アプリケーション開発・実行プラットフォーム「Magic xpa」を展開するマジックソフトウェア・ジャパンからは、マーケティング部の渡辺剛課長が、「勝ちパターンが見えてきた:企業向けモバイルアプリビジネス」と題して講演した。従来のモバイルアプリ開発は、マルチデバイス対応のための多重開発や多重保守などがネックになって、高コスト・低収益のビジネスになりがちだった。渡辺課長は、「Magic xpa」がこうした課題を解決する商材であることをアピール。「一度つくったアプリケーション資産をさまざまなOS・デバイスに簡単に展開できる。アジャイル開発も得意で、オーダーメードのアプリをスピーディに開発・運用し、変更や修正もすぐに、安くできる」と説明した。(本多和幸)

マジックソフトウェア・ジャパン マーケティング部課長 渡辺剛氏