GPUメーカーのNVIDIAは、クラウド対応のGPUボード「GRID」シリーズの販売に力を入れている。「GRID」は、世界で初めてGPUの仮想化を可能にしたクラウド対応のGPUアーキテクチャ「KEPLER」を採用。CPUの進化だけではなかなか対応しきれなかったネットワーク経由のグラフィック環境を提供するためのコア技術として、大手ITベンダーも注目している。

林憲一
マーケティング
本部部長
 「GRID」事業は、NVIDIAが今年立ち上げた新規事業だ。林憲一・マーケティング本部部長は、「タブレットにもスマートフォンにもPCにもGPUは入っているので、普段使っているアプリケーションは3Dを使った非常にグラフィックリッチなものが多くなってきている。しかし、それがVDIになると、とたんに古くさい2Dの画面になってしまう。UIは、コンピュータサイエンスの一番重要なポイントだ。『GRID』をサーバー側に搭載することで、VDIでもグラフィカルなUIを提供できる」と説明する。

 また、これまでワークステーション上で動かしてきたCADソフトなども「GRID」を使えばクラウド経由でどこからでも利用することができるようになる。レスポンスとレイテンシー(遅れ)もまったく問題ないレベルだという。「CADエンジニアの業務の自由度が高まるだけでなく、製品企画や営業の人たちがミーティングの際にタブレットでデザインを参照するなど、据え置きのワークステーションでは考えられない、いろいろなCADソフトの使い方ができる」(林部長)。

 「GRID」のパートナーは、シトリックス・システムズ、ヴイエムウェア、デル、IBM、ヒューレット・パッカード、シスコシステムズ、スーパーマイクロ、富士通の8社で、ハードウェア、ミドルウェアの大手ベンダーが名を連ねる。林部長は、「CAD製品を扱うSIerが、『GRID』を独自にハード、ミドル、アプリケーションと組み合わせてソリューションとして売ってくれるというケースもあり得る。非常にポテンシャルのあるビジネスだと考えている」と期待を寄せている。(本多和幸)