バックアップソフトメーカーの米アクロニス(セルゲイ・ベローゾフCEO)は、日本への投資を拡大する。日本法人のアクロニス・ジャパン(村上督代表取締役)の人員とマーケティング予算を2014年に現在の2倍に引き上げる。アクロニス・ジャパンは、ワールドワイドで売上高を現状の10倍まで拡大することを目指している。日本への投資が、その足がかりとなる。

セルゲイ・ベローゾフCEO
 アクロニス・ジャパンの売上高は、2012年の時点でワールドワイドの25%を占めている。利益に関しては、「全体の50%までにはいかないが、それに近い比率に達している」と、ベローゾフCEOは日本法人が業績に大きく寄与していることを高く評価している。アクロニス・ジャパンは、他の大手バックアップメーカーに比べて人員や販促費用などのリソースが小規模だ。にもかかわらず業績を伸ばし、大手メーカーに負けないシェアを確保している。このシェアをさらに伸ばすために、ベローゾフCEOは「日本法人に対して積極的に投資していく」と断言する。その一環として、人員を現状の最低でも2倍に増やす。

 また、国内シェアをさらに拡大するために、「マーケティングを積極的に進めていかなければならない」として、マーケティング予算についても前年の2倍に引き上げる。「マーケティングの強化は、新規需要の開拓に寄与し、販売パートナーの支援にもつながる」という。さらに、「コンバーシティ」と呼ぶ、パートナー企業が大企業に対してソリューションを創造するために設けているトレーニングを、SMB(中堅・中小企業)も対象とするよう拡大する。ベローゾフCEO自らが1次代理店のディストリビュータのトップと話し合って、リセラーが売りやすい環境を模索しているという。「当社が販売パートナーに対して、どのような支援を行うべきなのかを理解した。具体的なメニューを策定した段階で、チャネルプログラムに組み込んでいきたい」との考えを示す。

 ビジネス拡大に力を入れる分野については、主力のバックアップソフトの販売に加えて、モバイルやクラウドのサービス提供を拡大しようとしている。モバイル分野では、ファイル管理関連で「mobilEcho」とファイル共有・同期関連として「activEcho」の最新版を発売。クラウド上でバックアップができるだけでなく、既存の社内ファイルサーバーなどオンプレミス環境にも対応している。クラウド分野では、ホスティング事業者とパートナーシップを深める方針だ。

 ベローゾフCEOは、ホスティング向け自動化コントロールパネルのメーカーである米パラレルスの創業者として、ホスティング事業者とのパートナーシップの深耕に取り組んできた。そのノウハウをアクロニスでも生かしていく。(佐相彰彦)