日本アスペクト・ソフトウェア(垣貫己代治代表)が、コンタクトセンターでのオムニチャネル対応を推進している。同社はコンタクトセンター向け業務ソフト開発大手であり、ソーシャルメディアやメッセンジャーアプリなど、従来の電話やメール以外の顧客接点が急増している現状を踏まえて、複数の顧客接点を統合的に管理するシステムを新たに投入した。「オムニチャネル」は、複数の顧客接点(マルチチャネル)を統合する考え方で、主に流通・小売り・サービスなどコンシューマ向けビジネスを展開するユーザー企業において、顧客接点を管理するシステムの需要が急拡大している。

垣貫己代治
代表
 アスペクトが今年3月に国内販売を始めたオムニチャネル管理システム「アスペクト・オムニチャネルスイート」の最大の特徴は、顧客の要望に応じて自社の人員や資材の最適化ができる点にある。例えば、小売店で何かのキャンペーンを行ったとき、オムニチャネル対応のコンタクトセンターでつかんだ情報をもとに需要予測を行い、どの店舗に、どれだけの人員を配置して、どれだけの在庫を確保すればよいかなどの情報を提供する。

 オムニチャネルの文脈でよく使われるO2O(オンライン・トゥ・オフライン)は、ネットから実店舗へ誘導する取り組みだが、「せっかく苦労して店舗へ誘導しても、店舗に適切な人員や資材を配置していなければ売り上げ増につながらない」と、垣貫代表は指摘する。

 「オムニチャネルスイート」は「ワークフォース管理」エンジンによって人員などのリソースを最適配置する仕組みで、店舗だけでなく、工場のリソース配置にも役立てることができる。同社は、長年にわたってコンタクトセンターの業務管理システムを開発してきたノウハウを生かし、オムニチャネル化と並行して、店舗や工場の人員などの配置に役立つ仕組みを「オムニチャネルスイート」に実装した。

 「ワークフォース管理」と、基幹業務システムとの情報連携を行う「バックオフィス管理」を活用することで、店舗や工場のリソース管理に応用。さらに、スマートフォンやソーシャルメディア、メッセンジャーアプリの普及によってリアルタイム性への要求も強まり、「オムニチャネルスイート」では「迅速、柔軟にリソース配分を割り出すことができるようにした」と話す。

 販路は基本的にビジネスパートナーであるSIerなどを経由するほか、販売先はオムニチャネル対応を進めるユーザーや、こうしたユーザーの業務を請け負うビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)サービスベンダーを想定している。 オムニチャネル対応と連動して、リアルタイムで人員や資材の最適化を行うニーズが高まっていることなどから、「オムニチャネルスイート」の販売で今後1年の間に国内で20~30件の受注を目指す。(安藤章司)