日立製作所(日立、東原敏昭社長兼COO)は、植物工場内の生育環境のデータや栽培設備の制御データを収集し、リアルタイムで見える化するとともに、生育環境や栽培設備を遠隔で制御できる「植物工場生産支援クラウドサービス」を開発し、6月1日に提供を開始する。

 植物の生育環境を制御し、生産する植物の高品質化と生産性の向上を目指す本格的な植物工場向けのサービス。植物工場内の光、温度、湿度、二酸化炭素濃度、養分、水分などの生育環境のデータや、細霧冷房や養液ポンプなどの栽培設備の制御データを、日立独自のデータ収集・制御装置である「Farm Gate Way装置(FGW装置)」で収集し、データセンター上のデータ収集・蓄積・配信基盤を経由して、リアルタイムでモニタ画面に表示するとともに、生育環境のデータを収集するセンサ機器や、栽培設備の設定値の制御を遠隔で指示することができる。収集したすべてのデータはデータベースに蓄積し、BIツールを活用して分析・評価することで、生産管理や経営視点での意思決定を支援する。

 すでにグランパ(阿部隆昭社長)が開発した「グランパドームに」採用されており、各ドームへのサービス提供を順次開始している。「グランパドーム」では、生育環境のデータや、栽培設備の稼働状況のデータは以前から収集していたが、データの確認はエアドーム内の制御盤のモニタ画面を操作・確認する必要があり、リアルタイムでの監視、制御が難しく、運用負担が大きくなっていた。

 グランパは「植物工場生産支援クラウドサービス」を活用することで、生育環境や栽培設備に関する約1000項目のデータを1分ごとに収集し、遠隔地にある拠点のモニタ画面でリアルタイムに確認。生育環境のデータが適正な水準で推移するように栽培設備を一括制御して、効率的な稼働状況管理を実現した。

 日立は、スマート情報分野における製品・サービス群を「Intelligent Operations」として体系化しており、新たに提供を開始した「植物工場生産支援クラウドサービス」を中心に、農業分野向けソリューション「Intelligent Operations for Agriculture」の開発、提供を推進し、農業生産の安定化と六次産業化を支援する。

 具体的には、生産する植物の需給のシミュレーション、Global Good Agricultural Practices(GLOBALG.A.P.)の認証取得対応の支援、生育のシミュレーションなどのサービスを追加していく予定。また、植物工場だけではなく、中小規模の施設園芸向けにもサービスを拡充していく。

 「植物工場生産支援クラウドサービス」の価格は、標準構成で月額1万8000円。