東芝(田中久雄社長)と東芝ソリューション(河井信三社長)は、6月16日、経済産業省の補助によって新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が実施する「フランス・リヨン再開発地域におけるスマートコミュニティ実証事業」で、住宅内エネルギーモニタリングシステムとコミュニティマネジメントシステム(CMS)の実証を開始すると発表した。

 実証では、仏リヨン市の再開発地域内にある既存の公営住宅施設で、分電盤や水道メーター、ガスメーターに計測ユニットを設置し、宅内の電気、水、ガスの使用データを測定する。各家庭に配布するタブレット端末に家庭全体の電気、水、ガスのエネルギーの使用情報や各家電機器の消費電力を可視化するほか、省エネルギーのアドバイスを提供することで、住民の環境に対する意識を高めて省エネ行動を促し、その効果を検証する。

 昨年10月から実証事業の一環で運用を開始している太陽光を活用した電気自動車のカーシェアリングシステムや住宅内エネルギーモニタリングシステムの情報を取りまとめて、地域全体のエネルギー利用状況を可視化し、スマートコミュニティ化をサポートするCMSの運用も開始する。

 さらに、来年春に竣工予定のポジティブ・エネルギー・ビルディング(PEB)や再開発地域の既存のビルからもエネルギー情報を取りまとめる計画だ。CMSは、集約したさまざまなデータをもとに地域でのエネルギー利用状況を分析し、グランドリヨン(都市共同体)とともに地域エネルギー利用の効率化につながる都市計画や政策検討への活用を検証していく。

 実証事業は、NEDOによる欧州初の実証プロジェクトで、EU加盟国が目標に掲げる「EU環境施策20-20-20」の5年前倒しとプロジェクト対象エリアのゼロエミッション化を目指している。実証事業は、日本企業群の技術を活用し、国際的なエネルギー消費の効率化の実現に寄与するもので、東芝グループは日本側の取りまとめ企業として受託している。

 東芝グループでは、実証事業で得られた成果を活用し、今後も各国政府や自治体と連携した地域ソリューションをグローバルで展開する。