アドビシステムズは、クラウドサービス「Adobe Creative Cloud」の教育機関向けプランの提供を開始した。教育機関の職員がクラウドサービスとしてAdobe製品を使うのはもちろん、授業などを通じて、学内で生徒にも広く使ってもらい、将来のAdobeユーザーの拡大につなげる考え。また、これに伴い、全国規模で教育機関に強い販売パートナーを拡充していく方針だ。

トレバー・ベイリー
シニアディレクター
 「Creative Cloud」は、Adobeのソフトウェアをインターネット経由でPCにインストールして使うライセンスを定額で提供するサービス。「フォトショップ」や「イラストレーター」などのデザインツールからウェブ制作、ビデオ&オーディオツール、オンラインストレージまで、すべてのアプリケーションを利用できる通常版のほか、個別のアプリケーションのみを使う単体のサブスクリプションライセンスもある。

 今回、同社が教育機関向けに新たに打ち出した基本プランは、「ユーザー指定ライセンス」「デバイスライセンス」の2種類。文字通り、ユーザー単位のライセンスかデバイス単位のライセンスかの違いで、「ユーザー指定ライセンス」は大学の教材作成部署など、アプリケーションの使用者が決まっている小規模なグループ・部署での利用を想定し、「デバイスライセンス」はコンピュータ教室での利用を想定している。

 また、高等教育機関で全面的にAdobe製品を採用する場合には、「ELTA」という包括ライセンス契約も用意しており、必要に応じて「ユーザー指定ライセンス」と「デバイスライセンス」を組み合わせることもできる。オプションで、学生個人のPCへのインストールも可能だ。

 さらに、小中高校向けには、「期間サイトライセンス」という格安のプランも発表した。一度契約すると、学内で無制限にAdobeのアプリケーションを使うことができ、料金は、教職員の数に応じて決まる。小中高校限定のプランのため、コストは、「ユーザー指定ライセンス」や「デバイスライセンス」に比べても圧倒的に安く設定しているという。

 グローバルで教育・公共機関向けビジネスを統括するトレバー・ベイリー・シニアディレクターは「文教分野でのAdobe製品ユーザーは、美術系やデザイン系の高等教育機関が多いとイメージされがちだが、グローバル共通の傾向として、一般の教育機関でも使われるようになっている。年間利用のライセンスにすることで、諸費用が下がるし、年度ごとの予算も計上しやすくなる。データの可視化やプレゼン資料の作成など、Adobe製品はビジネスでの用途も広がっており、学生に最新のスキルを身につけてもらうことができる」と、「Creative Cloud」の教育機関向けプランの意義を強調する。

 これに伴い、全国で新たなパートナーも発掘していきたい考えで、「『デバイスライセンス』に関しては、100%パートナー販売になる。教育市場に接点をもち、積極的に新規案件を開拓しつつ、ユーザーからのフィードバックをAdobeと共有してくれる販社を増やしていきたい」(ベイリーシニアディレクター)としている。(本多和幸)