チエル(川居睦社長)は、韓国NOA Systems(クム・チョンジェCEO)の無線LAN最適化ソリューション「Tbridge」の国内独占販売権を取得し、10月20日から販売している。自社の販社網を使って文教市場への普及を図るほか、エンタープライズ市場向けの販売はエルザ ジャパン(世古口誠社長)が担当する。両社合計で、約300社規模の販売店網になる。チエルの森谷和浩・常務取締役技術担当役員は、「早期に売り上げを1億円に乗せたい」と意気込む。

 インターネットで利用される標準プロトコルのTCPは、通信の課題として、低品質回線での輻輳によるパケットロスなどが無線LANのスループットを低下させると以前から指摘されている。

 Tbridgeは、こうした課題を容易に解決できるソリューションだ。ネットワーク上に配置して簡単にブリッジ接続するだけで、TCP通信を最適化できる。無線インフラを拡張、アップグレードする必要がなくネットワーク管理者の負担も少ない。開発元であるNOA SystemsのクムCEOは、「およそ2年をかけて開発した。ホテルや大学でのテストでは、平均で従来比2~3倍の通信速度を実現している」と話す。

 文教向けITの専門ベンダーであるチエルは、教育環境情報化のボトルネックの一つが学校内の無線LAN環境のぜい弱性にあるとして、自らが携わる実証研究などにもTbridgeを導入しながら効果を可視化し、自治体や大学への提案を積極的に勧めていく。また、エルザ ジャパンの世古口社長は、「ホテルや病院など、通信が集中する施設にはニーズがあるし、VDI環境でゼロクライアント端末を使うような企業でも、ワイヤレスの良好な通信環境は必須。まずはターゲットを絞って、パートナーと一緒に市場開拓に努めたい」としている。(本多和幸)

左から、チエルの森谷和浩常務、NOA Systemsのクム・チョンジェCEO、エルザ ジャパンの世古口誠社長