TCSI(田口善一社長)は、すべてが揃わなければ復元できないようにデータを分割する「秘密分散法」のAONT方式を採用した情報漏えい対策ソフト「PASERI」を開発した。現在、アプライアンスで提供しており、今後はSIerともパートナーシップを組む予定。さまざまな角度でPASERIを拡販し、年間3億円の売り上げを見込む。

田口善一
社長
 TCSIは、「シンクライアント・ソリューション総合研究所」という社名で2014年3月に設立したソフトメーカー。シンクライアント用のUSBデバイス管理ソフト「VUMS」など、これまでシンクライアント関連の製品・サービスを提供してきた。VUMSの販売については、昨年1年間で1万本。今年は5万本を見込んでいる。設立以来、ビジネスが順調で「シンクライアント関連ビジネスに次ぐ第二の事業の柱をつくる」(田口社長)との方針でセキュリティ関連ビジネスに着手し、PASERIを開発することになった。

 PASERIで採用しているAONT方式とは、暗号化方式と異なって公開鍵の保管や更新が不要で、データを分割することでデータを守るというもの。データを1KBまで分割することが可能で、分割したデータがすべて揃っていれば容易に元データを復元することができ、ある程度の数以上が欠けると元データへの復元が不可能になるという特性をもっている。

森谷晃
部長
 現段階では、エーティーワークスと協業してPASERI搭載のアプライアンスサーバー「Blessta」として提供している。2014年12月から発売し、「すでに50社のユーザー企業を獲得した」と、森谷晃・プロダクトマーケティング部長兼プロダクト開発部長は自信をみせる。

 今後は、「SIerとのパートナーを組んでいきたい」(森谷部長)との考えを示しており、協業相手を増やすことで販売を強化する。PASERIをベースとしたビジネスで年商3億円の売上高を狙い、「当社全体で売上高6億円を目指す」(田口社長)としている。(佐相彰彦)