日本のオフショア開発やテスト検証で約20年の実績があるインドのソフト会社、日印ソフトウェア(SNギリ社長兼CEO)は、ウェブ系の業務アプリやモバイル向けアプリの開発、既存データのクラウド移行など、新規事業分野を拡大する。東京で開催中のIT系イベントで来日中のギリ社長がそのことを明らかにした。

 同社は、日本企業を対象にするオフショア開発が売上高の8割を占める。親会社は大阪のエヌ・ディ・アール(永原隆嗣社長)。情報通信や製造業の組み込みソフト開発などで実績を積み、品質の高さと日本語、英語のバイリンガル対応ができるベンダーとして、日本の大手企業で評価されている。最近では、日本企業の業務システムがクラウド化したり、業務アプリをウェブ化する傾向が強まり、従来と異なる新規案件が増えてきた。

 そのため同社では、日本側の受け入れ体制を強化し、1案件で技術者5人が数か月程度で対応できる中堅ベンダーの業務アプリや海外言語化などの拡大にも注力し始めているほか、モバイル環境の普及を受け、Androidの業務用のスマートフォンアプリの開発も手がけている。ギリ社長は、「クラウド案件が増えている」として、AWS(アマゾン・ウェブ・サービス)にレガシーシスムのデータを安全・迅速に移行する案件も請け負い始めている。

 日本のソフト開発会社の業務アプリ開発を請け負った実績としては、地図会社のアプリのオフショア開発や、地方の中小ベンダーが開発した通学バス管理システムをインド語化し、インドのシステム会社と販売するなどがある。また、インド国内では、「SMACフレームワーク」という独自の開発技術で、ソーシャルやクラウドなどを組み込んだアプリ開発を手がけている。

 同社のマダラ・バプジ取締役兼COOは、「日本の業務アプリ開発を請け負う場合は、当社とラボ契約を結び、1社ごとの固定チームを編成して開発にあたる」ことを、他のオフショア開発とは一線を画していると強調する。

 ブース出展したIT系イベントでは、多くの日本企業やIT関係者が来場し、新規領域の見込み案件が集まったという。(谷畑良胤)

東京で開かれたIT系イベントで来日した日印ソフトのSNギリ社長(右)とマダラ・バプジ取締役