週刊BCNは11月20日、「パートナービジネスを積極展開するITベンダープレゼンテーション」と題し、SIerとリセラー向けのセミナーを広島市のメルパルク広島で開催。基調講演のほか、注目のベンダーが商材とパートナー戦略を紹介した。

 基調講演は、船井総合研究所 経営支援本部 チームリーダー チーフ経営コンサルタントの長島淳治氏が登壇。「脱下請け!脱SES!クラウド時代の新たなビジネスモデルとは」をテーマに講演した。

広島のSIerやリセラーが多数参加。八つのセッションが続くなか、
最後まで熱心に聴いていた

 長島氏は、労働者派遣法の改正やクラウドの普及による旧来型の開発モデルが成り立たなくなりつつあると説明、「SES(System Engineering Service)や下請けを主としている事業者は、派遣から請け負いに転換する、またはクラウドインテグレータやクラウドサポート提供事業者への転換が必要」と説明した。とはいえ、クラウドインテグレータやクラウドサポート提供事業者に転換するのは、簡単ではない。取り組んでも、うまく適応できないケースがある。そうした事業者に向けて、長島氏は「説明型商品だと認識する」「販売対象を絞り込む」「すぐにアウトプット」など、クラウドに対応するためのポイントを紹介した。長島氏は成功事例なども紹介し、最後に「始めるなら今」として、講演を締めくくった。

 セッション1では、カゴヤ・ジャパン セールスチームの森明義氏。「<低価格>ハードウェア専有型クラウドサービスをお薦めする理由」と題し、カゴヤ・ジャパンが提供する専用サーバー「FLEX」の魅力として、幅広いOSへの対応やサーバーの拡張、セキュリティ関連の豊富なオプションを有していることを紹介。また、必要なI/O処理性能を満たす物理サーバーの安定したパフォーマンスと、自由自在なクラウド環境を提供できることについて、事例を交えながら、詳細を説明した。また、まほろば工房の齊藤祐哉氏が登壇し、クラウドの動向やメリットなどを開設した。

 セッション2では、「変革期を迎えたサーバールーム事情(ビジネスチャンスと協業の可能性)」と題し、シュナイダーエレクトリック 戦略・事業開発本部 マネージャーの飯島康弘氏が登壇。クラウド環境への移行や仮想化により、中小企業が保有するサーバールームは減少傾向にあるが、すべてのサーバーがクラウド環境へ移行できるわけではないとして、サーバールームの省スペースと電力コスト削減のニーズを同時にかなえる解決策について解説した。エネルギーマネジメントのグローバルスペシャリストであるシュナイダーエレクトリックでは、中小規模のサーバールーム向けソリューションでも実績がある。そうした事例なども紹介した。

 セッション3では、「マルチクラウド時代のバックアップ ~アクロニスが提供する次世代バックアップソリューション~」と題し、アクロニス・ジャパン セールスエンジニア部 セールスエンジニア マネージャの佐藤匡史氏が登壇。企業でのクラウド活用は広がり、用途に合ったクラウドサービスをユーザーが選択するマルチクラウド時代に突入しようとしているとし、その環境に最適なバックアップソリューションを紹介した。佐藤氏は、マルチクラウド時代では従来のデータやシステムの保護手段を利用することは難しく、マルチクラウドに適した新たなバックアップソリューションが必要と説明。マルチクラウド環境に最適化されたデータ/システム保護とディザスタリカバリの新しいバックアップソリューションを紹介した。

 セッション4では、「クラウドにビジネスチャンスあり。SIerがクラウドを好きになる理由。」と題し、ファーストサーバ 取締役の狩野英樹氏が登壇。また、サーバーワークス 代表取締役の大石良氏も登壇し、対談形式でクラウドの魅力を紹介した。クラウドの利用が広がるなかで、成功しているSIerはどうやってクラウドとの親和性を高めていったのか? そして垂直統合から水平分業へシフトする転換期を迎え、ユーザーが直接サービスを選定できる時代だからこそ、「目利き」に価値が生まれるとして、「目利きSIer」になるためのポイントを紹介した。クラウドインテグレータとして、クラウドに積極的に取り組んできている大石社長との対談形式では、SIerのクラウドの取り組みにおける成功事例を紹介した。

 セッション5では、「新生HP+アルバが手がける企業ネットワーキングの新たなポイント ~モビリティファースト、クラウドファースト~」と題し、アルバネットワークス 西日本営業部 コンサルティングエンジニアの安原一順氏が登壇。かつてのクライアント/サーバー型システムが、モバイル&クラウドモデルへと代わり、業務現場におけるモバイル端末の利活用、クラウドベースのビジネスアプリを駆使した働き方の変革が進んでいると現状を紹介。そのようなモビリティを重視し、企業の生産性を向上させる施策を支えるうえで大切なのは新たなネットワーキングとして、モビリティニーズを支える旧い常識にとらわれない「モバイルファースト、クラウドファースト」のネットワーキングのあり方を紹介した。

 セッション6では、「自社開発のNASを利用したファイル共有とデータ保護アプライアンスのご紹介」と題し、アーク・システムマネジメント マネジメント 営業本部 代表取締役の日吉孝浩氏が登壇。自社開発の小型NAS装置を使ったファイル共有とデータ保護を実現するアプライアンスを紹介した。小・中規模企業では、日々業務で使用しているコンピュータシステムの専任者を置くことが難しく、社内にバラバラに保管されているアプリケーションデータの管理が容易ではない。そこで、日々の業務を増やすことなく、データの一元管理とBCP対策の一環としてデータの保護(バックアップ)の仕組みを安価に簡単に実現可能なアプライアンスを紹介。共有ファイルはサーバーで簡単に設定が可能だが、アクセス制限、VLAN設定、暗号化、動的拡張など専門知識が必要な設定でもGUIを使って簡単に設定できるなど、同社のアプライアンス製品の魅力を説明した。

 最後に主催者講演として、『週刊BCN』の編集長、畔上文昭が「SIerは死なず!日本のSIerが強いこれだけの理由」と題し、IoTやAI(人工知能)などの最新動向を紹介しながら、SIerが進むべき道について解説した。週刊BCNでは「SIer、リセラー必聴セミナー」シリーズを全国主要都市で今後も展開することを予定している。