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紫光集団 買収で急速に事業規模を拡大 2016年にも売上高1000億元規模へ

2016/01/07 19:07

週刊BCN 2016年01月04日vol.1610掲載

【北京発】企業買収を通じた事業拡大を得意とする中国半導体・IT大手の紫光集団。同社の趙偉国董事長は、12月4日、中国電子信息産業発展研究院が主催する「2015中国信息産業経済年会(ITEC2015)」に参加し、自社がたどってきた買収による成長の道のりと、「互聯網+」時代の事業戦略について講演した。16年にも総売上高1000億元規模の到達を見込んでいるという。(真鍋武)

趙偉国
董事長
 紫光集団は、清華大学が全額出資する清華ホールディングスが、88年に51%出資で設立した半導体・IT会社。総従業員数は約2万人を超えている。買収による事業拡大を得意としており、半導体分野では13年12月に展訊通信有限公司(SPREDTRUM)、14年7月に鋭迪科微電子(RDA)をグループ傘下に収めている。

 趙董事長によると、紫光集団の総売上高は約500億元で、資産総額は約1000億元、純資産は350億元に達しており、「来年には、資産総額を約2000億元に、売上高を800~1000億元に、税引き後利益を60億元に拡大できると見込んでいる」という。15年は、米ヒューレット・パッカード(HP)傘下の杭州華三通信技術(H3C Technologies)を23億米ドルで買収し、株式51%を取得して子会社化。9月末には、米ウエスタンデジタル(WD)に15%出資することも発表した。投資額は約38億米ドルで、紫光集団はWDの筆頭株主となる。さらに、中国メディアは、紫光集団が230億米ドルで米マイクロンテクノロジーの買収を計画していると報じている。

 度重なる買収を通じて急速に成長してきた紫光集団だが、趙董事長は「われわれは(純粋な)国有企業ではなく、市場原理によって形成されており、特有の市場資源を有していない。ビジネス資源は市場から獲得しなければならないため、容易ではない。道筋は険しいのだ」と語る。清華大学の資本が51%を占めるも、残り49%は民間から構成される“公民混合所有企業”であるため、国務院国有資産監督管理委員会が直轄する中央国有企業と違い、政府系案件の獲得が約束されているわけではないというわけだ。

 IT企業が成長し続けるための方法については、「IT企業の発展特徴は、技術駆動型のものだ。成長するためには、他者の先進例を学ぶこと、正道を歩むこと、腐敗から遠ざかることが大事だ」と指摘。この一環として紫光集団では企業買収を進めている。ただし趙董事長は、「われわれは“国家チーム”ではないが、国家の政策戦略には応じる必要がある」と述べ、国家戦略に歩調を合わせた企業戦略が「互聯網+」時代の中国市場で商機をつかむには欠かせないという考えを示した。

 なお、紫光集団は、イベント後の12月11日にも、新たに2社の株式取得を発表。台湾半導体実装検査大手のセキ品精密工業(SPIL)の株式24.9%を111億元で、台湾南茂科技の株式25%を24億元で取得する。
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