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NTTデータGSLなど4社、SAP S/4 HANAの構築・運用に関する共同検証を実施

2016/02/23 19:08

 NTTデータグローバルソリューションズ(NTTデータGSL、大西俊介社長)、JSOL(中村充孝社長)、EMCジャパン(大塚俊彦社長)、ヴイエムウェア(VMware、ジョン・ロバートソン社長)は2月22日、SAPが提供する「SAP Co-Innovation Lab Tokyo(COIL Tokyo)」を利用し、GlobalのCOIL SponsorとMemberの協力の下、SAP S/4 HANAに関する共同検証を実施したと発表した。

 SAP製品の統一的なデータベースプラットフォームであるSAP HANAは、今後TDI(SAP HANAテーラード データセンター統合)上での稼働が増えることが見込まれている。このTDI環境で利用可能な仮想化ソフトウェアであるVMware vSphere 6.0は、近日中に本番環境でSAP HANA認定を取得する予定となっている。そこで今回、現在主流となりつつあるAll Flashストレージ(EMC XtremIO)を用いたTDI上で構築されたSAP HANA on VMware vSphere 6.0で、SAP S/4 HANAの構築と運用に関する実証検証を実施した。

 具体的には、検証目的に沿って、従来のアプライアンス製品との比較を行うかたちで、(1)VMware vSphere High Availability、VMware vSphere vMotionによるHANAのサーバー移動にともなう検証、(2)高速なHANA Storage snapshotとXtremIO snapshotを活用したSAP開発環境の構築、(3)HANAの稼働条件ごとのパフォーマンス測定、(4)VMware vSphereテンプレートからのHANA環境の構築--といった検証を実施した。

 各社の役割としては、EMCジャパンは、COIL環境へのXtremIOを提供し、ストレージ設定と検証評価での性能値の採取手順化など、All Flashストレージを活用するノウハウを提供。NTTデータGSLは、NTTデータグループ傘下のitelligenceのVMware vSphere 5.5上でのSAP HANA on VMware vSphereによるホスティング実績をもとにしたTDI環境構築ノウハウの提供と、仮想OS設計、構築とストレージ設定を担当した。

 JSOLは、SAP Business Suite powered by SAP HANAの本稼働実績とSAP S/4HANAプロジェクト推進(導入中)の経験を踏まえ、稼動OS上でのSAPベーシス作業と各種検証評価を担当。VMwareは、検証用のVMware vSphere 6.0を提供し、仮想化上のSAP HANAのテスト環境構築と、VMware vSphere 6.0の機能を活用したテストの実施に対するナレッジを提供した。また、Ciscoは、UCSサーバーとNEXUSの提供、検証シナリオに対する技術的なナレッジ提供を担当。SAPは、COIL Tokyoと付随するSAPソフトウェアの提供、JSUG(Japan SAP User's Group)など取り組み公開の場の提供を担当した。

 今回の実証検証によって、SAP HANA on VMware vSphereとAll FlashストレージXtremIOを組み合わせたSAP TDI環境であれば、インフラ投資に対するコスト削減や高いストレージ運用性を実現できることを確認した。また、検証を通じて各検証環境の構築、操作手順も整備することができたという。

 今後は、この検証結果をもとに、各社がインフラ投資の観点でコスト効率の高いSAP HANA on VMware vSphere 6.0と、高い運用性、操作性を備えたAll FlashストレージXtremIOを利用したSAP TDI環境の構築を推進していく方針。
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外部リンク

NTTデータグローバルソリューションズ=http://www.nttdata-gsl.co.jp/

JSOL=http://www.jsol.co.jp/

EMCジャパン=http://japan.emc.com/

ヴイエムウェア=http://www.vmware.com/jp