スマートカード組み込みソフトウェア開発やモバイルセキュリティを主な事業とする韓国有力ITベンダーSolacia(パク・サンジン代表理事)は2月23日、中国のスマートデバイス向けトータルソリューションを提供する中科創達(Thunder Software Technology、趙鴻飛董事長)と、スマートデバイスセキュリティの事業領域で、戦略提携したと発表した。

 提携の狙いは、Solaciaの「SecuriTEE」と中科創達の「ThunderSEC」の連携によって、より強力なセキュリティ環境を提供することだ。SecuriTEEは、スマートフォンに組み込まれているARM TrustZoneに搭載され、チップのセキュリティ強度を高めるモバイルセキュリティソリューション。一方、ThunderSECは、Android搭載端末向けのセキュリティソリューションで、暗号化した空間にデータやアプリケーションの保存を行い、個人情報の漏えいを防ぐことができる。

 中科創達のThunderSECは、TCLや酷派(Coolpad)、レノボ、フォックスコンなど、中国モバイル端末大手メーカーの製品に組み込まれ、スマートデバイスのビジネス利用に、安全な環境を提供してきた。中国北京市に本社を構える中科創達は、中国の7か所にR&Dセンターを設立しているほか、米国のシリコンバレーや日本を含める7地域に技術サポートセンターを設けている。従業員数は約2000人。昨年の12月には深セン証券取引所に上場を果たし、成長の勢いを増している。

 Solaciaの関係者によると、「戦略提携を交わす以前から、技術連携を開始しており、互換性のテストも実証済みだ。2016 MWC(Mobile World Congress)で、双方の技術を統合したデモ機を披露することができ、これを踏まえて、大会開催期間中に契約を交わした」と、世界最大級のモバイル展示会で統合した最新技術をアピールできたと語る。

 Solaciaは、海外市場の開拓を現地の有力パートナーとの連携によって実現してきた。シマンテックとの戦略提携により北米市場を開拓、Intercedeとの提携によってヨーロッパ市場への進出を果たした。昨年はEMV(Europay MasterCard)カードと関連ソリューションを提供する米国企業に15億ウォン規模の金融ICチップ供給契約を交わすなど、成果が出始めている。Solaciaは、中科創達と強固な戦略提携を通じて、グローバル事業におけるアジア市場への進出の可能性を見出そうとしている。(文/鄭麗花)