アイティフォー(東川清社長)は、自治体向けビジネスの深掘りに強い意欲を示している。同社は債権管理システムとBPO(ビジネスプロセス・アウトソーシング)を組み合わせた独自のサービスが自治体から高い評価を得ており、ビジネス的にも好調に推移している。そこで、自治体の住民サービスの向上につながるサービスをパッケージ化したり、共同利用型のサービスとしてメニュー化したりすることで、「自治体内でのシェア拡大」(小林研司・執行役員公共システム事業部副事業部長)を推進。自治体関連ビジネスの一段の拡大につなげていく。

アイティフォー
小林研司
執行役員
 もともと債権管理システムに強いアイティフォーだが、2014年にコンタクトセンターや訪問員による収納業務を手がけるアイ・シー・アールをグループ化したことで、自治体向けBPO事業が一気に拡大。BPO専業ベンダーではないアイティフォーのようなSIerが、本業であるシステム開発と連携して、訪問業務も一緒に請け負うケースは少ない。「債権管理システムとコンタクトセンター、現地訪問をトータルで提供できることが強み」(小林執行役員)となり、自治体向けビジネスの拡大に弾みをつけているのだ。

 そこで、次のフェーズとして着目しているのが、自治体の窓口業務からコンタクトセンター、現地訪問まで一貫してBPOで受託すること。直近では、税金や国民健康保険料などの債権管理と収納率を高めるための現地訪問がメインだが、「これらは自治体業務のなかでもごく一部に過ぎない」と、アイ・シー・アールの今井重好社長は話す。

 大きな自治体では、BPO業者だけで複数社が入り乱れて「庁内シェア」を競い合っている状況。アイティフォー陣営は、得意の債権管理と現地訪問を組み合わせることで存在感を増しているが、さらにビジネスを伸ばすには「庁内シェアの拡大が欠かせない」(小林執行役員)とみている。

 また、比較的規模の小さい自治体向けには、周辺自治体との共同利用ができるサービスも充実させていく。直近のユーザーは、比較的規模が大きい自治体が多くを占めるため、共同利用型は既存顧客の周辺に位置する中小自治体から優先的に提案。コンタクトセンターや現地訪問員を展開する際、周辺自治体からも業務を委託できれば業務効率の向上や規模のメリットを出しやすくなる。

 アイティフォーの2016年3月期の自治体関連ビジネスの売上高構成比は13.1%だが、これを中期経営計画の最終年度の18年3月期には、同20%程度に拡大させる方針を示している。ダイレクトメールや電話、自宅訪問、窓口業務といった自治体と住民とのコミュニケーションを請け負い、円滑化することで収納への理解を求めるとともに、アイティフォーが強みとする債権管理領域を中心としたシステム化によって、実際の収納率も高めていく仕組みをパッケージ化。自治体顧客の獲得と庁内シェアの拡大によって自治体ビジネスの伸長につなげる。(安藤章司)