キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)は、データ入力業務を効率化する仕組みを開発した。OCRで項目と値(数字)を読み取り、画面上で項目と値が一致しているかどうかを確認する仕組みで、このときマウス操作などの簡易な操作だけで正しい値を確認、修正できるようにした。これまで「ありそうでなかった」(金融SS第一グループの大野浩輝氏)取り組みで、同社では特許も出願している。

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帳票の項目と値だけをOCRで重点的に読み取る例
 
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大野浩輝氏

 各種証明書などの原本を集めなければならない業務では、どうしても帳票のフォーマットのバラツキが大きく、従来のOCRによる読み取り精度だけの追求では限界がきていた。そこで、キヤノンMJでは、必要な項目と値を重点的に読み取り、これらの組み合わせが正しいかどうかをデータ入力業務のオペレータに提示する手法を考案。オペレータは組み合わせが正しいかどうかを確認し、間違っていたらマウス操作で正しい組み合わせを選択するだけで入力が完了するようにした。

 この仕組みは、先行ユーザーとして朝日生命保険に採用されており、保険契約成立までの所要時間を2割削減する成果をあげている。保険加入に必要な「健康診断」の情報をOCRで読み取る際、例えば血圧の項目で「最大血圧/最小血圧」「収縮期/拡張期」など、表記の揺れがあったとしても、「あらかじめ読み取りシステムに登録しておくことで項目と値を紐づけられる」(同)ようにした。

 項目と値を重点的に読み取れるよう入力システムの個別カスタマイズが必要になることから、当面は一定規模以上の入力作業が発生する金融や保険業を中心に販売していく。将来的には業種ごとにパッケージ化を進めるなどして中堅規模企業でも導入しやすいようにしていくことで販売増につなげていくことも検討している。(安藤章司)