日立システムズ(北野昌宏社長)は3月20日、日立建設設計(橘滋夫社長)の建築物診断ノウハウとAI技術を活用し、ビルなどの建築物の点検作業を効率化する、劣化箇所の「自動劣化診断機能」を開発したと発表した。ドローンの操縦や撮影代行、撮影した画像の加工と診断、データの保管・管理などをワンストップで支援する「ドローン運用統合管理サービス」の一つとして、4月から提供する。

 この自動劣化診断機能は、ドローンで撮影した写真データから劣化箇所を自動抽出する機能。AI技術の一つであるディープラーニングを活用した診断モデルと、ひびなどの写真データを蓄積したデータベースを用いて写真を診断することで、撮影した大量の点検写真の中から劣化箇所が写った写真を自動で抽出する。従来、目視に頼っていた劣化箇所の判定を自動化できるだけでなく、作業者によって異なっていた判定基準の標準化を図ることができ、作業の効率化と標準化を支援する。

 自動的に抽出された劣化箇所は、ドローンで撮影した大量の2次元画像(写真)から生成した構造物全体の3次元モデル上でも管理することができ、点検作業の報告レポートを作成する際は、劣化箇所にマーキングやコメントなどを入れた状態で、あらかじめ定めたフォーマットの報告レポートに画像データとして取り込み、点検結果報告書を自動生成する。また、維持保全計画を策定する工程では、劣化状況に応じた優先度なども含めたうえで、日立建設設計とともに維持保全計画を提案する。これらにより、これまで多くの時間を要していた点検作業の後工程についても、作業効率を大幅に向上することができる。

 日立システムズは、2016年9月にドローン運用統合管理サービスの販売を開始し、これまでも顧客ニーズに合わせて機能強化を実施してきた。今回新たに開発した自動劣化診断機能は、点検対象物として、まずはビルなどの建築物向けに提供を開始し、今後、橋梁やトンネル、プラントなどにも順次提供範囲を拡大していく。

 価格は個別見積もり。同社では、今後も日立グループ各社をはじめとするビジネスパートナーと、ドローン関連ビジネスでの連携をさらに強化し、ドローン運用統合管理サービスを拡販。20年度までに200社以上の導入を目指す。