中国の組み込みソフト開発ベンダーのサンダーソフト(中科創達軟件、趙鴻飛会長兼CEO)は、向こう3年で日本市場向けに200億円規模の投資を行う意向を示した。年商12億元(約200億円)の同社にとって、ほぼ年商相当の巨額投資となる。

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サンダーソフトの趙鴻飛会長兼CEO

 同社は米半導体メーカーのクアルコムと協業し、スマートフォン向け設計参照モデル(レファレンスモデル)の開発で急成長。創業からわずか10年で中国組み込みソフト開発ベンダー上位に食い込んでいる。だが、スマートフォン市場の成熟化で、以前に比べると成長の勢いは鈍っている。このため、同社では車載やIoT領域のビジネス拡大に力を入れており、今回の日本市場への投資も、こうした領域を補強する狙いが強い。
 
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サンダーソフト日本法人の今井正徳代表取締役社長

 趙会長兼CEOは、「車載や産業向けIoTを伸ばすには、組み込みの技術だけではダメ。業種ノウハウや業種に強いベンダーとの協業が欠かせない」とし、今回の投資を通じて、日本の車載やIoTに強い有力企業との協業やエコシステムの構築を強化する。サンダーソフト日本法人の今井正徳代表取締役社長は、「研究開発型の拠点としての機能を重視するとともに、人員の拡充も進めていく」と話した。

 サンダーソフトは、2017年2月にフィンランドの自動車の速度計などを表示するデジタル・ダッシュボードのユーザーインターフェース(UI)開発に強いライトウェア社をグループ傘下に収め、18年3月にはブルガリアのモバイル端末向け画像処理技術に長けたMMソリューションズをグループに迎え入れている。こうした流れで日本での「M&Aも視野に入れる」(趙会長兼CEO)としている。

 同社の昨年度(17年12月期)の売上高は約12億元。内訳はスマートフォン関連と車載/IoT関連がほぼ半々を占める。今年度はM&A効果もあって売り上げを30~50%伸ばした上で、車載/IoTなどの非スマートフォン関連を全体の6割程度まで拡大させたいとしている。日本でのビジネスも好調で、昨年度は売上高全体の約3割を占め、今年度も同様の割合になる見通しだという。