日本コンピュータシステム販売店協会(JCSSA)は6月7日、会員のIT企業を対象に実施した「第9回JCSSA景気動向調査」の結果を発表した。それによると、77.0%のIT企業が「人材不足」で、特に「プロジェクトマネジャー系」の人材が不足している実態が明らかになった。また、IT企業の現状景況感を表すDI値では69.0、設備投資の意欲を見るDIでは48.6といずれも過去5回で最高を記録し、好調を維持していることがわかった。

プロジェクトマネジャーやセキュリティ、開発、保守運用人材に不足感

 「人材不足の状況」については、人材が不足していると回答した割合は77.0に達し、。およそ8割の企業で人材不足に悩まされていることがわかった。そのうち特に不足しているのは「プロジェクトマネジャー系」で、人材不足と回答した企業の56.1%が不足していると回答した。次いで「セキュリティ系」(47.4%)、「開発系」(46.5%)、「保守・運用系」(43.0%)が不足していると回答した企業が多かった。
 

 また、今後不足が予想される人材の分野については、「情報セキュリティ系」を挙げる企業が最も多く、60.8%。「AI系」(56.8%)、「IoT系」(51.4)もともに5割を超えた。また、人材不足を解消する手段としては、「中途採用の拡充」(87.7%)、「新卒採用の拡充」(61.4%)と人員の補充を挙げた企業が多かった。「働き方改革による生産性の向上」で解決するとの回答も45.6%と3番目に多かった。

「働き方改革」による労働環境見直しの機運を受け、賃上げDIが大幅上昇、賞与DIも改善

 景況感判断などのDI値については、2017年11月実施の前回調査に比べ、景況感の現状に関するDIは微増したものの、半年前との比較や半年間の見通しDIに関しては、6~7ポイント下回る結果になった。景況感全体としては17年11月の調査から連続して高い状態を維持しつつも、改善の傾向は足踏みしている。
 

 「現状の景況感DI」は69.0と前回比で2.6ポイント改善。一方「半年前との比較DI」は50.6と6.7ポイント後退、「半年後の見通しDI」についても、45.3と同7.1ポイント後退した。景況感の変化に対して、ややネガティブな見方に傾きつつある。

 ただし「次期設備投資DI」については、前回を6.6ポイント上回る48.6、「賃上げDI」については、今回唯一2ケタに乗せ、」14.3ポイント増の70.9を記録した。「賞与DI」も5.9ポイント増の49.3、「中途採用DI」についても8.7ポイント増の51.4を記録し、いずれも積極的だ。「働き方改革」の動きとともに労働環境の見直し機運も高まっており、労務関連のDIを押し上げたようだ。

 18年1-3月期の実質GDPは533兆円と、前四半期比で微減ながらも過去最高水準。国内経済は好調を維持している。また、朝鮮半島情勢も米朝会談を見通すところまで軟化したとはいえ、予断を許さない状況は依然続いており、経済環境は好調を維持しながらも、先行きの不安がDI値にも表れた。

 調査は2018年5月8日~5月24日、JCSSAの会員企業193社を対象にインターネット上で実施。148社から回答を得た。