SAPジャパン(福田譲社長)は7月2日、東京にビジネスイノベーションスペース「TechLab(仮称)」を開設すると発表した。大企業とスタートアップを結びつけ、各々のもつ技術やノウハウを組み合わせることで、日本企業発のイノベーション創出を促進させる。

 「今回のTechLabは、SAPにとって世界で初めての試みだ」。SAPジャパンの内田士郎会長は意気込んだ。これまでSAPグループは、米国などに独自のイノベーションセンターを開設してきたが、今回のTechLabは、三菱地所(吉田淳一社長)と協業し、同社が保有する「大手町ビル」に開設。約2000m2の空間に、入居者向けオフィスや交流エリア、動画撮影スタジオ、イベントスペースなどを備え、新規ビジネスに向けたリーダー育成やワークショップ、パートナーリング、ビジネスのプロトタイプ構築といったプログラムを提供していく。これにより、人工知能(AI)やIoT、ロボティクスなどの分野でのイノベーションを創出する。
 
握手するSAPジャパンの内田士郎会長(写真右)と
三菱地所の湯浅哲生 執行役常務

 開設は今年11月を予定。まずは、SAPジャパンが今年3月に発足した異業種コミュニティ「Business Innovators Network」に参画する関係者を中心に、大企業やスタートアップ、ベンチャーキャピタル、研究者、デザインファームなどが入居していく。SAPジャパンのスタッフも常駐し、イノベーション創出のきっかけとなるコミュ二ティ間の交流やデザインシンキングを促進させる。

 三菱地所との協業によって、同社が抱える顧客をTechLabに巻き込むことができる。内田会長は、「丸の内、有楽町、大手町に三菱地所がもつ4000数百社の顧客と、Business Innovators Networksとエコシステムを活用し、世界9万1000人のわれわれの英知をここに集約して、日本発のイノベーションを創る場にしたい」と意欲を示した。

 とくに、TechLabを開設する大手町ビルは、小割貸付に適したフロア形状を生かして、近年では日本初のフィンテック集積拠点「FINOLAB」や、KPMGが運営するイノベーション拠点、トヨタ自動車の自動運転技術を中心とした技術開発拠点など、新規ビジネスの創出拠点として活用が増えている。三菱地所は同日、大手町ビルの大規模リノベーションとして、外壁や内装を全面的に改修すると発表。大手町ビルの東側を「LABゾーン」と位置づけた。TechLabを開設するほか、FINOLABの床面積も650坪から1200坪に拡張する。(真鍋 武)