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決済サービス商談が活発化 金融機関や商業施設との連携を促進――アイティフォー

2018/08/23 11:00

週刊BCN 2018年08月20日vol.1739掲載

 アイティフォー(東川清社長)の決済サービス関連ビジネスの商談が活発化している。メガバンクがQRコード決済の規格統一に動くなど、金融機関を巻き込んだ決済サービス市場が大きく変化している。こうした変化をチャンスと捉え、キャッシュレス化にいち早く対応した決済サービスを拡充。金融機関などと連携した多様な決済サービスを展開していくことでビジネスを伸ばしていく。

東川清
社長
 アイティフォーでは、決済サービス「iRITSpay(アイ・リッツペイ)」や、決済用のターミナル端末などを開発している。国内外の各種カードや電子マネー、中国観光客向けの支付宝(アリペイ)/微信支付(ウィーチャットペイ)などに対応。また、地銀や信金といった地域の金融機関が中心となって発行する“地域通貨”への対応にも力を入れている。

 中国をはじめ海外からの観光客が多く訪れる国際空港に接続する鉄道会社、周辺の商業施設などからの引き合いが多く、「実際に活用してもらっているケースも増えている」(東川社長)と手応えを感じている。キャッシュレス化が進んだ国や地域から来日した外国人は、日本円に換金することに慣れておらず、空港周辺で戸惑うことが多い。鉄道会社や商業施設側がキャッシュレス対応を進めることで、訪日外国人の消費ニーズを引き出していく。

 ほかにも、地銀や信金が中心となって、地場の観光地向けに地域通貨を発行して、観光客の囲い込みに取り組む動きも出始めている。例えば、1000円で1100円相当の地域通貨を発行するといった特典をつける。その代わり、観光地にある商業施設だけでしか使えないため、観光客は購入した地域通貨を全てを使い切るようにしてもらう仕組みだ。金融機関は決済手数料を得たり、地域経済が活性化することで資金需要を高める効果が期待できる。

 決済サービス「iRITSpay」は、月額課金型のサービスビジネスであることから、足下の売り上げ規模はまだそれほど多くない。このため、アイティフォーは2021年3月期までの3か年中期経営計画で、まずは10億円規模の事業に拡大させることを目指す。月額課金のストック型ビジネスであるため、ユーザー層に厚みが出てくれば、安定収益源として業績を支える優良事業になる見通しである。

 アイティフォーは、債権管理やローン業務支援など金融機関向けのシステム開発で実績があり、同社が開発する小売業向け基幹業務システム「RITS(リッツ)」は、多くの地方百貨店や専門店向けに納入してきた。今回のiRITSpayを中心とする決済サービスは、同社が強みとする金融機関や流通・サービス業に向けて横断的に展開していくことで、より多くの顧客を開拓していく方針だ。(安藤章司)
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外部リンク

アイティフォー=http://www.itfor.co.jp/