弥生(岡本浩一郎社長)は10月11日、記者会見を開き、最新デスクトップアプリ「弥生 19シリーズ」を発表するとともに、同社のビジネスの最新状況を説明した。2018年9月期は過去最高の売上高を達成し、登録ユーザー数が170万を突破したことを明らかにした。

岡本浩一郎
社長
 「クラウドアプリケーションとデスクトップアプリの両輪で成長できており、いずれも圧倒的シェアナンバーワンを獲得している」(岡本社長)として、業績が順調に成長していることをアピールした。

 BCNの調査データなどを基に弥生は業務ソフト市場における自社のシェアを独自集計しており、17年10月1日から18年6月30日までのシェアは62.7%だったという。 会計ソフトを中心とするスモールビジネス向けのクラウド業務ソフトは、新興ベンダーのfreee、マネーフォワードが先行して市場を開拓し、弥生も追いかけるかたちで製品を市場投入し、3社が有力ベンダーとして、しのぎを削っている。

 岡本社長は「クラウドに関しては、法人向けはまだまだ市場の拡大が十分ではなく精度の高い調査がしづらい状況。一方で個人事業主はそれなりに市場が立ち上がっているが、ここでは二人に一人が弥生製品を使っている」と強調した。

 ただし、マネーフォワードは18年11月期の通期決算で、弥生と競合するクラウド業務ソフト関連の売上高を24億5700万円と見込んでおり、上期だけで12億円近くを記録している。岡本社長によれば、弥生のクラウド商材の売上高はマネーフォワードと同水準には達していない。「弥生のクラウド製品は非常にチャレンジングな価格を設定しているし、個人事業主向け製品は初年度無償プランを提供しているなどの影響もあって、ユーザー数の成長が売り上げに反映されるまでにはタイムラグがある」という見解だ。

 さらに岡本社長は「法人向けのクラウド業務ソフトも市場の成長をけん引していきたいと思っている」とした上で、「お客様が弥生に期待しているのは、クラウドで製品を提供することよりも、バックオフィス業務のスマート化をいかに進めるかということ」と強調する。

 弥生 19シリーズや各種クラウド製品の定期的なアップデートでは、ユーザーの現実の業務に合わせて必要な機能を必要な時期に実装し、改元や消費増税などに対応していく。加えて、インターネットバンキングの取引明細やCSVデータ、レシート画像など紙証憑まで含めて自動で取り込み、AIで自動仕訳・起票する「YAYOI SMART CONNECT」を軸に、クラウド、オンプレミスを問わず“スマート化”を実現できることを強みとして前面に押し出していく方針だ。(本多和幸)