富士ゼロックス(玉井光一社長)は、商業印刷向け高速ロール紙カラーインクジェットプリンター「11000 Inkjet Press」を開発し、2月15日に国内で発売する。

高木 純
常務

 これまで同社は、請求・明細書、通知書などを印刷するトランザクション市場向けにロール紙カラーインクジェットプリンターを販売してきた。ただ、2021年にはトランザクション市場のデジタル化が80%(同社調べ)に達し、市場の成熟が進むと分析。このため今後は、パンフレットやダイレクトメール、カタログ、雑誌、書籍などの商業印刷市場にも対応領域を広げることにした。

 新製品は富士フイルムの持つ枚葉インクジェット印刷機の高画質なインクジェット技術を盛り込んで開発した。高木純・常務執行役員グラフィックコミュニケーションサービス事業本部長は「富士フイルムグループの技術を結集して生まれた」と説明した。

 プリントヘッドには、富士フイルムの「SAMBA」ヘッドをもとに、高速ロール紙印刷へ適応させるため最適化を図った独自ヘッドを採用。ヘッドのノズル付近のインクを絶えず循環させ、乾燥が速い高機能インクのノズル詰まりを防ぎ、安定した高画質を実現。さらに、最速で毎分80メートル(A4カット紙換算で毎分1048ページ相当)の高生産性を実現した。これによりオフセット印刷に迫る品質、生産性を両立させた。

 書き込み解像度は1200dpi×1200dpi。搭載したセンサーでノズルの吐出不良を検出することで、印字抜けスジや印字濃度ムラを補正するほか、従来の水性インクジェットの大きな課題であった印字後の用紙シワ(波うち)への対応として、赤外光とヒートドラムによる独自の乾燥機構を搭載。高速で印刷しながら商業印刷に求められる印刷品質を提供する。

 高木常務は「デジタル商業印刷市場は、コート紙への印刷を実現するなど高品質化を進めることで拡大するだろう。トランザクション市場以上に成長すると予測している」と市場の成長に期待を寄せる。

 販売目標は3年間で20台。富士ゼロックスが直接販売するほか、グループ企業で、主に印刷会社にインクジェット商品の販売を行っている富士フイルムデジタルプレスも販売する。(山下彰子)