週刊BCNは8月23日、ITメーカーとIT販社をつなぐイベント「BCN Conference 2019 夏」をホテル雅叙園東京で開催した。基調講演や展示のほか、関心の高いセキュリティ・BCP対策、クラウド・デジタルトランスフォーメーション(DX)、働き方改革をテーマにしたセッションを行った。


 クラウド・DXのセッションでは、スタディストの木本俊光・事業戦略室プロダクトマネージャー、シネックスジャパンの清水章太郎・テクノロジーソリューション本部長、福岡情報ビジネスセンターの武藤元美代表取締役が登壇。企業の成長を左右するDXを実現するツールや取り組みを紹介した。

 スタディストの木本プロダクトマネージャーは、「クラウド/SaaS時代の定着させるマニュアル作りとSalesforce社内定着の実情」と題して講演した。これまでシステム納品時にマニュアルも納品していたが、最近は頻繁に更新・改善できるSaaSを導入するケースが多い。そのため、導入時に納品したマニュアルはシステムの更新・改善を経るごとに使えなくなってしまう。
 
スタディストの木本プロダクトマネージャー

 さらに、営業担当者や管理者の負担が大きい、継続的な教育や社内コミュニケーションが必要などSaaSの定着を阻む課題があり、マニュアルが使えない状態で社内に定着させるためには社員を巻き込み、負担を減らすことが重要だと木本プロダクトマネージャーは語った。その上で、多数の企業で利用されるクラウドサービスの「Salesforce」は、Salesforce向けのマニュアル作成ツール「Teachme Biz for Salesforce」を活用することで「管理者の負担を軽減し、定着しやすくなった」と説明した。

 シネックスジャパンの清水本部長は、「デジタルトランスフォーメーションに不可欠なクラウドファースト戦略のベストプラクティスとエコシステム」と題して講演した。民需のみならず、文教や医療・介護の幅広い分野でクラウドファーストが進んでいる。こうした需要に対応するため、シネックスジャパンでは、例えばマイクロソフトのコラボレーションサービスの「Teams(チームス)」の販売や、学校教育でのAzureをはじめとするクラウド基盤の活用、仮想現実や複合現実とニューラル ネットワーク技術を組み合わせた自動翻訳といった新しい商材の取り扱いを充実している。
 
シネックスジャパンの清水本部長

 清水本部長は、「クラウドを導入する、クラウドに切り替える、クラウドを最適化する利用価値の向上と最適化を行える製品・サービスを重点的に取り揃えていくことで、ビジネスパートナーのビジネス拡大に貢献していく」と話した。

 福岡情報ビジネスセンターの武藤代表取締役は、「絶滅危惧種“SIer”の反撃 ~もう業者扱いはさせない!! ~DXを好機と捉え、不本意な現実をエコシステムで好転させる」と題した講演を行った。
 
福岡情報ビジネスセンターの武藤代表取締役

 ユーザー企業から「思っていたものと違う」と言われて仕様変更を強いられる、議事録があっても言った言わないと水掛け論になる――。このような理不尽な事態に「SIerが絶滅危惧種になる寸前だ」と、武藤代表取締役は危機感を顕わにした。

 講演では、「理不尽な事態」を好転させた事例を数多く紹介。社会がDXを要求する今こそ好機と捉え、この「理不尽な事態」を好転させるべく、「ユーザーとともに絶滅危惧種の“SIer”が反撃の狼煙を上げるときだ」と鼓舞した。