週刊BCNは7月26日、ITメーカーとIT販社をつなぐイベント「BCN Conference 2018 夏」を東京・ホテル雅叙園東京で開催した。テーマは「『ポスト2020』~リセッションに備える~」。2020年までに日本企業や経済をいかに発展・成長させられるかが重視されていることに加えて、その後の景気後退が懸念されているなか、有識者や主要ITベンダーが最新テクノロジーを活用して、ビジネスチャンスをつかむ方法を解説した。

 基調講演では、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の参与で景気循環研究所長を務める嶋中雄二氏が「第3の超景気 ~ゴールデン・サイクルで読み解く2025年~」と題して、景気循環論、とくに複合循環論の立場から、25年までの日本経済の行方について解説した。

 20年開催の東京五輪が日本経済に大きな経済効果を生むといわれているものの、終了後は厳しい景気後退に見舞われると予想されている。そのため、いま何に取り組むべきかが、多くの経営者で関心を集めていることだ。景気動向の影響を受けやすいIT業界も、例外ではない。では、東京五輪後の日本経済は、どう動くのか。

 嶋中氏は、「17年と18年は、明治以降で第3番目の“超景気”になっている。景気後退は(消費増税のある)19年10月から始まる可能性が高い。東京五輪後は8月以降、21年3月頃まで厳しい状況を想定しておかなくてはいけない。また、22年、23年と上がり、24年は翌年の大阪万博開催が決まると好景気になる。もし、万博がとれなくても27年にリニア新幹線が開通する予定であるため、そのときに景気がよくなる。景気は循環するので、落ちたものはまた上がる。基本的には、楽観的にみていいだろう」と分析した。
 
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の嶋中雄二氏

 特別講演では、レコモットの代表取締役CEOである東郷剛氏と、楽天コミュニケーションズでIPコミュニケーションビジネス部第二グループマネージャーを努める神谷昌呂氏が、「働き方改革の推進はモバイル活用がカギ! あらゆる場面を想定したビジネスコミュニケーションのご紹介」をテーマに講演。

 東京五輪に向けて首都圏企業による働き方改革はこれからが本番といわれており、多くの企業がさまざまな取り組みを進めている。その取り組みは東京五輪で終わることはなく、例えば、少子高齢化によって「働き手人口の減少」がさらに進むため、人材を上手く活用しなければ生産性を向上することができない。

 レコモットのテレワーク基盤サービス「moconavi」と楽天コミュニケーションズの音声コミュニケーションサービス「モバイルチョイス“050”」は連携しており、働き方改革の推進に欠かせない。モバイル活用において、リモートアクセスなどのアプリ、ビジネスチャットや音声通話など、場所を選ばず円滑に業務を推進してストレスのないビジネスコミュニケーション環境を整備している。講演では、多様なクラウドサービスと連携した働き方改革の事例、楽天グループの取り組みなどを紹介した。

 このなかで東郷氏で、「(20年まで景気が上がっていくとの見方があるが)どのような状況でも優秀な人材の確保や生産性の確保は必要。20年以降も、働き方改革の特需は止まらない。ICTの導入は変わらない傾向にある」と述べた。
 
レコモットの東郷剛氏

 一方、神谷氏は、「楽天コミュニケーションズでは、モバイルチョイス050とmoconaviの連携により、お客様の課題を解決しながら働き方改革を推進していきたい」と語った。

 また、講演ではレコモットがパートナー制度などについても説明した。
 
楽天コミュニケーションズの神谷昌呂氏

 午前中から多くの聴講者が集まり、規模は基調講演と特別講演いずれも昨年の「BCN Conference 2017 夏」と同程度の300人近くに。最新動向を聞こうと、SIer、ISV、ディストリビューター、リセラーなどが参加した。
 
会場に300人近くの聴講者が集まった