キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS、金澤明社長)は、クラウド上にある文書の検索や、スマートフォンに対応したチャットボット形式の操作画面(UI)、全文解析の機能を強化した企業内検索エンジン「DiscoveryBrain(ディスカバリーブレイン)」の販売を8月下旬から始めた。企業内検索エンジンは古くから使われてきたツールだが、近年ではオンラインストレージなどクラウド上の文書の検索や、スマホ対応のUIへのニーズが高まっており、「企業内検索をリプレースするチャンス」(商品企画課の山野雄也氏)と見ている。

商品企画課 山野雄也氏

 DiscoveryBrainは、OSS(オープンソースソフト)の検索エンジン「Elasticsearch」と、自然言語処理を駆使して機密文書の漏えいを未然に防ぐ機能に長けたキヤノンITSの「GUARDIANWALLシリーズ」の技術、L is B(エルイズビー)のチャットボット形式のUI「direct」などを組み合わせて開発した。

 ユーザー企業が使っている検索エンジンのなかには「完全一致」でないとヒットしなかったり、表記揺れに十分対応していなかったりと古いタイプが使われているケースがある。Google検索に慣れた若い世代にとっては使いにくいものと感じられやすいが、情報漏えい対策の観点から社内の文書検索にGoogle検索を使うわけにもいかない。そこで「最新のOSS検索エンジンのElasticsearchに置き換える動きが強まっている」(山野氏)と話す。

 また、古いタイプの企業内検索はオンプレミス内のみしか検索できない不便さが見られたが、DiscoveryBrainの検索対象は営業支援のSalesforceや文書保管のSharePoint Onlineといったクラウド上の文書も、社内文書と同様に検索が可能。DiscoveryBrainそのものは、客先に設置するオンプレミス型の製品であるため、外部から社内のデータを検索されたくないと考えるユーザー企業のニーズにも対応できる。

 ほかにも、文書ファイルをそのまま読み込ませ、自然言語処理によって何について書かれているのかを判読。例えば、精密加工、押し出し成形などのキーワードから製造業のカテゴリーに分類した上で、ユーザーの参考になるような過去の関連する提案書や見積書を探しだして提示するといった機能も実装した。カテゴリーやキーワードはあらかじめ登録した辞書などをベースとしているが、「将来的には機械学習によって自動化の水準をより高められるよう開発を進めたい」(山野氏)と話す。

 キヤノンITSは最先端のデジタル活用を促進する製品群を「Brainシリーズ」と位置付けており、今回のDiscoveryBrainは、AI OCRの「CaptureBrain」、ウェアラブル端末を使った遠隔業務支援の「VisualBrain」に続く第3弾。DiscoveryBrain関連ビジネスでは向こう2年で年商2億円程度のビジネスに育てる。(安藤章司)