シスコシステムズは10月21日、オフィシャルパートナーを務めた東京五輪での取り組みについて記者説明会を開催した。鈴木和洋会長は大会期間中、「100%のネットワークアベイラビリティを維持できた」と成果に触れた上で、「新しい五輪のモデルを示した大会になった」と述べた。
鈴木和洋会長
今回の五輪は43競技会場、本部、選手村など、五輪史上最多の拠点数での開催になったという。その中で同社は2万2000台の製品を導入して、ネットワークを構築し支援した。大会期間中、ネットワークには18万6000台の端末から接続があったが、遅延をはじめとしたトラブルは起こらなかった。なお、期間中のインターネットトラフィックの総量は1.6ペタバイト。これは五輪史上最大だったとしている。
国内最大規模のIoTネットワークも構築した。6000台超の監視カメラと3000以上センサーを設置。これらを高速ネットワークでつなぎ、管理センターからモニタリングできる仕組みを実装した。
また、データを活用したアスリート支援にも注力したという。同社とアスリートアンバサダー契約を結んでいる卓球日本代表の石川佳純選手と張本智和選手に向けて、対戦相手の過去の試合映像や分析データを提供するなどしてサポートした。
同社は2024年のパリ五輪でもオフィシャルパートナーを務めることになっており、ネットワーク製品以外にも、セキュリティや会議用のソフトウェアなど、提供製品の範囲を拡大する予定だ。鈴木会長は「東京五輪での知見を生かして過去最高の大会を目指す」と力を込めた。(岩田晃久)