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日立とcbs、日本企業向けにSAP S/4HANAへの移行サポートで協業

2021/11/10 12:00

 日立製作所とcbsコーポレートビジネスソリューションズ(本社・ドイツ、cbs)は、ビジネスパートナー契約を結び、日本企業向けに既存の基幹システムからSAP S/4HANAへの移行サポートに関する協業を開始した。

 具体的には、SAP S/4HANA移行を検討する顧客に対し、構想策定から、移行準備、システム移行・導入、保守に至るまで、SAPパートナーである両社が豊富な知見を生かしたコンサルティングやcbsの高度な独自ツールを活用したデータマネジメントにより、顧客のスピーディで効率的なシステム移行・運用を支援する。

 経営情報可視化に向けた構想策定フェーズでは、日立がLumadaの顧客協創方法論「NEXPERIENCE」をベースとしたワークショップで業務のあるべき姿を描き、共有した上で、経営基盤のシステム刷新にフォーカスした構想策定を実施し、システムアーキテクチャーとデータ収集・活用プロセスの最適化に向けたロードマップを具体的に示す。

 構想策定にあたり、既存システムからSAP S/4HANAへの移行による影響を機能面だけでなくデータの観点でも分析が可能。cbsのSAP S/4HANA Readiness Analysisを用いて既存システムのマスターやコードの標準化レベルやデータ蓄積状況などを解析することにより、将来的なデータ活用に向けた改善ポイントを明確化できる。

 SAP S/4HANAへの移行準備フェーズでは、日立がスムーズなSAP S/4HANA導入のために必要な準備として、段階的なクラウド移行やプロセス変革を支援する。基幹システムとクラウドサービスを組み合わせた運用に必要なマスターデータ管理やデータ連携の見直し、長期間利用されているSAP環境の事前のデータクレンジングについては、データマネジメントに知見をもつcbsのコンサルチームと連携して的確に支援する。

 SAP S/4HANAへの移行・導入フェーズでは、日立が経営基盤のデジタル化の目標達成に最適な手法(新規導入、ミックス&マッチ、シェル構築、システムコンバージョン)でのSAP S/4HANA導入を支援する。既存環境を有効活用するミックス&マッチやシェル構築、複数あるSAP環境の統廃合では、経営情報のデジタル活用に必要なデータのみを移行する選択的データ移行を行う。

 cbsはSAPのデータ構造を踏まえた選択的データ移行の高い技術と実績を有しており、世界初の専用ソフトウェアであるcbs ET Enterprise Transformer for SAP S/4HANAを用いることで、ダウンタイムを最小限に抑えながら確実な移行を実現する。

 日立は、今回のcbsとの協業を機に今後も製造業をはじめとした幅広い顧客向けにSAP S/4HANAなどの基盤ITシステムを積極的に提供していくとともに、OTとプロダクトをあわせもつ強みを生かし、Lumadaを活用して経営と現場、サプライチェーンをつなぎ、バリューチェーン全体の最適化やレジリエンス(企業の事業継続性や社会インフラの強靭さ)の価値向上に寄与していく。

 cbsは、システムランドスケープのプロセスとトランスフォーメーションの設計にユニークなポートフォリオをグローバルに提供する。また、セクター独自のコンサルティング専門知識とソフトウェア ドリブン SAP S/4HANAランドスケープ トランスフォーメーションを組み合わせてグローバル企業の顧客のエンタープライズトランスフォーメーション達成を支援する。
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日立製作所=http://www.hitachi.co.jp/