ソフトウェアなどの開発に使用するローコードテスト自動化ツール「mabl」を提供する米メイブルは、日本市場での本格なサービス展開に乗り出した。mablの日本語ローカライズや日本企業の営業時間に対応したサポートの開設、国内メンバーの増強などに取り組んでおり、13日には共同創業者のイジー・アゼリ、ダン・ベルチャーの両氏が日本で記者会見し、市場開拓への意気込みを示した。
共同創業者であるイジー・アゼリ(左)、ダン・ベルチャーの両氏
同社は2017年に米ボストンで創業。ローコードで各種テストの自動化を可能とするツールをSaaSで提供している。多様なテストに対応し、AIによるテストの自動修復機能や結果を多角的に確認できるなどの特徴を有する。
DevOpsの普及により開発スピードが加速する中で、テストに要する時間も短縮が必須となっており、関連の市場は世界的に拡大が見込まれる。同社のグローバルの顧客数は250社で、世界的な大手企業も少なくない。日本法人は21年8月に発足。すでに65社が採用し、コミュニティのメンバー数は2000人に上るという。日本での収益は好調に推移しており、ARR(年間経常収益)は3年連続で200%の増加率となっている。
日本市場へのさらなる浸透に向けた施策としては、UIの日本語化のほか、日本語のウェブサイトや学習用コンテンツ「mabl大学」、テクニカルヘルプドキュメントの公開などを打ち出した。
アゼリ氏は「日本市場に対して非常に集中的に投資をしたい。そして皆さまをサポートしたい。この決意の表れだ」と抱負を語り、ベルチャー氏は「日本の顧客に合ったソリューションを提供できる」とアピールした。
販売戦略に関しては、直接、間接ともに推進していく方針。現在、国内でのパートナー経由の販売は10%ほどだが、拡大傾向にあるとし、今後も同社のビジョンに賛同するパートナーを開拓していく構えだ。パートナーには販売面だけでなく、顧客との関係構築や関連コンサルティングサービスの提供などにも期待を寄せている。(藤岡 堯)