米Broadcom(ブロードコム)とSB C&Sは7月28日、ブロードコムが2019年に買収した米Symantec(シマンテック)の法人向けセキュリティ製品事業について記者説明会を開催した。SB C&Sはブロードコムの認定アグリゲーターとしてシマンテックの専門チームを発足し、国内での営業やマーケティング、サポートをメーカーに代わり担うとした。買収後、価格やライセンスルールの変更などで混乱を招きユーザー離れが指摘されてきたが、SB C&Sを中心とした販売体制を整えたことで国内ビジネスの推進を図る。
(岩田晃久)
老舗セキュリティベンダーであるシマンテックはエンドポイントセキュリティを中心に製品を展開、国内でも多くの企業で利用されてきた。ブロードコムの買収後は、情報発信が十分に行えなかったこともあり、ユーザーやパートナーに混乱を招く事態となっていた。
SB C&S 山田尊則 部長
SB C&SのICT事業本部ネットワーク&セキュリティ推進本部の山田尊則・N&Sソリューション販売推進統括部販売推進2部部長は、エンドポイントセキュリティ製品の販売実績を紹介。買収直後の20年度は「非常に苦しいところあった」とし売り上げが減少したものの、21年度は横ばいとなり「現在はネガティブな要素が底をついたと考えている。今後は攻勢に転じる」と力を込めた。
新たに立ち上げたシマンテック専門チームは、営業が4人、プリセールスエンジニアが3人、マーケティングが2人、インサイドセールスなどバックオフィスが16人で構成する。本年度中にさらに人員を投入し、最終的には32人の体制になる予定だとした。加えて、サポート体制も強化する。専属のテクニカルサポートとして28人を配置、国内拠点で対応することでサポートへの不安を解消し顧客満足度の向上を図る。
現在のパートナープログラムは、買収前のシマンテックのプログラムとブロードコムが18年に買収した米CA Technologies(CA)のプログラムを統合したものを提供。今後は、コンサルティングなどパートナーの専門性に合わせたプログラムの提供を予定しているという。
注力商材として、「Symantec Endpoint Security Complete(SESC)」を挙げた。これまでアンチウイルス機能などを提供する「Symantec Endpoint Protection(SEP)」を主力商材としてきたが、SESCはSEPにEDR(Endpoint Detection and Response)やアプリケーション振る舞い制御などの機能を追加。エンドポイントセキュリティに必要な機能をワンストップで提供する。クラウド管理画面機能も搭載し、ハイブリッドでの管理も可能となる。SESCに対応するSOCサービスを8月上旬に開始することも明らかにした。
山田部長は「販売店が提案する際に、シマンテック製品を入れてもらえるように今後、活動を推進する。業績をV字回復させたい」と抱負を語った。
ブロードコム マイケル ダビンスキー
プロダクトマネジメント 責任者
今後の製品戦略については、ブロードコムのシマンテックエンタープライズ事業部のマイケル ダビンスキー・プロダクトマネジメント責任者が説明。シマンテックが持つ各製品をGoogle Cloud Platform上でポートフォリオに統合し「Symantec Enterprise Cloud」として提供、シングルエージェントで幅広い機能を利用できるようにするとした。
ブロードコムは22年5月に米VMware(ヴイエムウェア)の買収を発表した。影響について山田部長は「現在点で伝えられることはない。分かり次第、改めて情報を伝える」と述べた。