日本テラデータは8月30日、次世代クラウドネイティブ・アーキテクチャーを採用した、データ分析基盤の新製品「VantageCloud Lake」を発表した。従来提供してきた「Teradata Vantage」より低コストで導入できる。合わせて「Teradata Vantage」は「VantageCloud Enterprise」と名称を改め、製品ラインアップをEnterpriseとLakeに刷新する。
8月30日に「VantageCloud Lake」を発表。
製品ラインアップも刷新した
高橋倫二社長はVantageCloud Lakeについて「クラウドシフトを進める当社にとって非常に重要な戦略製品。競合他社と肩を並べるだけでなく圧倒することができる」と紹介。「ストレージとコンピューティングの拡張だけでパフォーマンス問題を解決する新興ベンダーは高額なコストを要求し、予算超過を招くことが往々にしてある。一方、当社は複雑な問題を限られたリソースだけで解決することができる」と自信を示した。
高橋倫二社長
Enterprise EditionとLake Editionの違いは得意とする領域にある。前者がデータウェアハウスやオペレーション・インテリジェンスといったエンタープライズ・ワークロードに最適化されているのに対して、後者はIT部門の関与を必要としないセルフサービス機能を備え、アドホック分析や探索的分析、部門別分析といった幅広いユースケースに最適化されている。また、従来からTeradata Vantageで提供しているクラウドアナリティクス機能については「ClearScape Analytics」という名称に変更し、50以上の新しい時系列関数を含むデータベース分析ライブラリを提供するなど大幅にリニューアル。EnterpriseとLakeの双方で標準実装した。
Teradata VantageCloud Lake製品発表資料から引用
小永井崇・執行役員テクノロジーセールス事業部事業部長は競合との差別化ポイントとして、システムリソースの消費量に基づくスケーリング、ワークロードにガードレールを設定した予算管理、課金情報の可視化を挙げる。コストパフォーマンスの強みを生かすために、スモールスタートのビジネスにマッチする従量課金制のスターターパッケージ(月額4000ドルから)も用意するという。小永井執行役員は「ビジネスの自律性と財務的なガバナンスのニーズを両立し、コストパフォーマンスが高い状態で運用することができる」と優位性を説いた。(大蔵大輔)