アマゾン ウェブ サービス ジャパン（AWSジャパン）は10月13日、記者説明会を開き、金融機関に求められるセキュリティなどに関わる共通機能をテンプレート化したソリューション「金融リファレンスアーキテクチャ 日本版」について説明した。同ソリューションを活用することで、金融機関がワークロードを実装する際の負担を軽減できるとした。

　ソリューションでは、機密性などが求められる金融機関のワークロードに必要な基本的な設計テンプレートとして「Baseline Environment on AWS for Financial Services Institute」を提供。金融機関における代表的なワークロードとして「勘定系」「顧客チャネル」「オープンAPI」「マーケットデータ」の四つを設定し、それぞれのアーキテクチャーを構成する際のテンプレートとして「AWS Cloud Development Kit」のサンプルコードや、アーキテクチャー図とその解説ドキュメントなども用意している。


　このほか、コンテンツの一つとして「Well-Architected Framework FSI Lens for FISC」を提供。ワークロードのベストプラクティスに加え、金融機関やIT企業などを会員とする金融情報システムセンター（FISC）が定める安全対策基準のガイドライン「FISC安全対策基準（第10版）」に準拠しているかを参照できる。

　金融事業開発本部の飯田哲夫・本部長は「金融領域のクラウド活用におけるセキュリティや可用性に関わるベストプラクティス提供のご要望をいただいていた」とリリースの背景を語り、「日本のクラウド活用においても、FISC安全対策基準に準拠したシステム構築が求められる」と説明した。

　同社は10月3日から、ソリューションの正式版を「GitHub」上で一般公開しており、利用者はテンプレートをカスタマイズして活用できる。
（大畑直悠）