前回の調査で全体の半数近くを占めていたQuadranet.comの利用が減っている一方で、DediPathを利用したフィッシングサイトが増え、半数以上を占めている。9~10月にはColoCrossingを利用したフィッシングサイト、11月にはSun Network Company Limitedを利用したフィッシングサイトが見られた。いずれも米国のホスティング事業者だが、料金が安価であることに加えて、利用に際しての審査が甘く、支払方法で足が付かないホスティングサービスが狙われているのではないかと考えられる。数は少ないが、Google CloudやAWSなどのメジャーなクラウド・ホスティング事業者を利用したフィッシングサイトも検知されている。
フィッシングサイトに利用されている証明書は、99.8%がLet's Encryptで取得されたものだった。数は少ないが、cPanelやTrustAsia Technologies、Sectigoなどで取得されたものもあった。証明書内のSubject Alternative Name(SAN)の数は1件、2件のものが85%以上を占めるが、50件または100件のものも5%くらいあり、ドメインごとに証明書を取るものと大量のドメインに同一の証明書を使用する2パターンがある傾向が見られる。大量に取得する場合は機械的に取得していると想定され、切りの良い50または100件が選ばれるようだ。