ネットアップは3月10日に新製品説明会を開催し、3月下旬に販売を開始するオールフラッシュストレージの新製品「AFF Cシリーズ」について市場投入の背景を解説した。米NetAppから来日した、ハードウェア製品マネージメントを担当するジョージ・パンボリス・シニアディレクターは、「ラックスペースと消費電力を考えると、HDDよりもフラッシュストレージのほうがコスト効率は高い」と述べ、HDDからの移行を促す製品となることを強調した。
米NetApp
ジョージ・パンボリス シニアディレクター
AFF Cシリーズは、現行のオールフラッシュストレージである「AFF Aシリーズ」よりも価格を抑えることを目的とした新しいラインアップの製品。コントローラー部分のハードウェアはAシリーズと共通。従来はTLC(トリプルレベルセル)のフラッシュドライブを搭載していたが、Cシリーズでは新たにQLC(クアッドレベルセル)を採用したことで、低価格化を実現した。
Aシリーズでは1ミリ秒以下だったレイテンシー(遅延時間)が2~4ミリ秒に拡大しているが、それでもHDD製品やHDD/フラッシュのハイブリッド製品より性能は高い。パンボリス・シニアディレクターは「今ネットアップユーザーの間でよく使われているVMwareベースのワークロードは5~10ミリ秒のレイテンシーが要件となっているが、それらの性能を高めることができる」と話し、証券取引など遅延に対して特に厳しい用途を除き、企業の通常業務では十分な性能を発揮すると説明した。
同社では先行ユーザーのケースとして、50台のHDD製品で構成していたストレージを1台のCシリーズに集約した事例を紹介。ラックスペースは98%、消費電力は97%もの削減につながった。オールフラッシュストレージの価格はHDD製品に比べまだ高価だが、ランニング費用を含めるとコストパフォーマンスはむしろ高いとし、Cシリーズの投入でHDDからの移行提案を加速していく考えだ。
(日高 彰)