電子情報技術産業協会(JEITA)は6月1日、新会長に日立製作所の小島啓二執行役社長兼CEOが就任したと発表した。同日の記者会見で小島会長は「デジタル産業を代表する業界団体として、社会からの期待に応える」と述べ、三つの注力点について説明した。
小島啓二 会長
一つは、テクノロジーの進化をキャッチアップし、継続的にデジタル化へ投資ができるように事業環境の整備を推進するとした。デジタルイノベーションと社会法制度の間にあるギャップを埋めていく取り組みを通して、調和のとれたデジタル技術の社会実装を目指す。
二つめは、JEITAの特性を生かして仕組みや仲間づくりに取り組む。社会課題は企業が1社だけで解決するのは難しいとした上で、JEITAの持つリソースやネットワークを活用することで、会員から持ち込まれるさまざまな共通課題にアプローチして解決を図るとした。制度や規制、事業環境の整備については国内外の関係機関に働きかける考えを示した。
三つめは、次世代の担い手の育成だ。学び直しも含め、意欲のある人たちがデジタルの素養や知識を習得することができるよう、会員と協力して多様な機会を提供する。今年10月には、JEITA主催の複合展示会「CEATEC2023」を開催する。最新のテクノロジートレンドに触れてもらい、若い世代の人に対してもデジタルへの興味や理解を促す。
小島会長は「幅広い産業の会員企業や政府をはじめとする関係機関と連携しながら、課題解決、競争力の強化、新しい市場の創出に取り組み、Society5.0の実現につなげる。社会のDXをより加速させていくことこそが未来の社会への貢献であると考え、デジタル産業の業界団体として社会の期待に応え、責務を果たしていく」と抱負を述べた。
(大向琴音)