カスタマーサービスプラットフォームを提供する米Zendesk(ゼンデスク)の日本法人は10月18日、記者説明会を開き、大阪に国内2カ所目のデータセンター(DC)を開設すると発表した。運用開始は2024年7月を予定。開設により顧客データをすべて国内で保有できるようになり、データセキュリティを担保し、レジリエンスを強化する。
米Zendeskのトム・エッグマイヤーCEO(左)と日本法人の冨永健社長
東京に続き大阪でのDC開設の背景について、日本法人の冨永健社長は、国内参入から10年でビジネスが成長する中、国外にデータを出したくないというニーズに対応する必要が出てきたと説明。「データの保存やセキュリティ対策を国内で行えるようになる。セキュリティに厳格な大企業や中央省庁などへの拡販につなげたい」との考えを示した。メリットとして、障害発生時の復旧も迅速に行えることも挙げた。国内に2カ所のDCを持つのは、米国以外では日本が初になるという。
また、5月にサービスを開始した「Zendesk AI」の機能アップデートについても説明。生成AIを搭載したボットが、顧客からの問い合わせを自動で判別、回答を生成する。また、回答のトーンも、問い合わせの文言に合わせてカジュアルにしたり、フォーマルに調整したりすることで、顧客満足度を高めるという。機能強化は継続的に計画しており、AIがオペレーターのスキルを分析しシフトの効率化を図る「Tymeshift」のサービスは、24年3月までに国内で開始する予定とした。
説明会には、都内でのイベントに合わせて来日した米本社のトム・エッグマイヤーCEOも出席。「日本は重要な市場で、カスタマーサービスを大切にしている国だと感じている」と述べ、「これからも大きな投資を行い、商慣習に合わせたサポートを行っていく」と日本での成長に期待を寄せた。
(堀 茜)