イスラエルと米国に本社を置くWalkMe(ウォークミー)日本法人は、SaaSアプリなどの活用を促進するデジタル・アダプション・プラットフォーム(DAP)「WalkMe」の間接販売チャネルを拡大させている。本年度(2023年12月期)売上高に占める間接販売の比率は1割程度に達する見込みで、今後もこの比率を増やしていく方針。販売協力やユーザー先にWalkMeを納入する際に発生するカスタマイズ、サポートなどを担うビジネスパートナー数は直近でおよそ20社に増えている。
小野真裕 社長
日本法人はこれまで直販をメインに展開してきたが、国内での顧客数が増えてきたことや、中堅・中小企業への販売を増やしていくに当たり「パートナーとの協力を進めていく」(小野真裕社長)ことで、販売やカスタマイズにかかるリソースを増やす。直近のビジネスパートナーは、NTTデータ・スマートソーシングやセラク、デロイトトーマツコンサルティング、コンカーなどで「客先でカスタマイズを担うSIer系のパートナーの拡充も進めていく」(同)。
「WalkMe」は独自UIで適切な操作ガイドや入力支援を行い、システムの定着を促すツール。複数のシステムを一元的に運用することも可能だ。個々のアプリの操作方法を覚えなくても済むため、学習にかかるコストや「契約しているものの実際は使いこなせていない無駄」をなくす効果が期待できる。北米の大手企業は平均すると500種類近いSaaSを活用しており、中堅・中小企業でも200種類を超えているとウォークミーでは推測している。国内でもSaaSの利用は増加傾向にあり、「DAPの需要は高まっている」(同)と手応えを感じている。
納入に当たってはユーザーの現場の業務フローを把握し、業務フローに必要なアプリ群とDAPをつなぎ込むカスタマイズ作業が必要になる。1~6月のグローバルでの売上高は前年同期比13.1%増の1億3200万ドル(約198億円)と2桁成長で、国内でもビジネスパートナーとの協業を通じて各企業へのDAP導入に弾みをつける考え。
(安藤章司)