ATENジャパンは、11月15日から17日まで千葉市の幕張メッセで開催されている放送・通信関連の展示会「Inter BEE 2023」に出展し、注力製品を紹介している。データ転送の遅延がほとんどなく5Kの高解像度に対応する最新のKVM製品(端末切り替え・延長機器)は、データセンター(DC)や映像制作現場だけでなく、eスポーツなどで利用が拡大しているといい、性能をアピールした。
「Inter BEE 2023」に出展している
ATENジャパンのブース
同社の主力製品であるKVMスイッチの中でも導入事例が増えているのが、IP-KVMエクステンダーと呼ばれる遠隔表示/操作機器の「KX9970」シリーズ。IP-KVMエクステンダーは、遠隔地にあるPCなどの画面をネットワーク経由で伝送する製品で、送信側の機器と受信側の機器で構成される。送信側にはPCの画面出力、受信側にはディスプレイを接続し、それぞれの間をイーサネットケーブルで結ぶことで、離れた場所にあるPCの画面を確認できる。画面に加えて、USB接続のキーボード操作情報や、USBアイソクロナス転送への対応によりスピーカーやマイクの音声信号も伝送が可能となっている。
5K解像度に対応した
IP-KVMエクステンダーの「KX9970」
DCや公共交通機関の管制指令などでのリアルタイム監視といった信頼性が求められる場面で導入が進んでいる。従来製品と比較して、カラー深度が大幅に向上し12bitに対応しており、放送局など映像制作現場でも広く採用されているという。
最新導入事例として、高精細で超低遅延の伝送機能により、eスポーツ大会におけるゲーミングPCのリモート操作に活用されるケースを紹介。NTT東日本と連携して実施したゲーム環境構築の実証では、対戦型シューティングゲームで遅延のないプレイ実演ができており、今後地方など遠隔地をネットワークで結んでのeスポーツ大会開催時などに同製品を売り込んでいきたいとした。
KX9970で顧客から好評なのが、マルチスクリーンコントロール機能。受信側は、マウスカーソルを移動するだけで複数台のPCを拡張モニターのように操作できる。PC間の切り替えの迅速化により、オペレーションの効率化とスピードアップを実現できる点が評価されているという。