SUSEソフトウエアソリューションズジャパンは4月4日、報道関係者向けの説明会を開催し、2024年の事業戦略を発表した。今後のさらなる事業拡大に向けた、パートナーエコシステムに関する戦略として「SIerのイネーブルメント」「強固なチャネルディストリビューションの確立」「サービスビジネスの拡大」の三つを掲げた。パートナーとの連携を充実させ、国内市場での存在感を高める考えだ。
 
　村上督・カントリーマネージャーは、国内ではSIerに頼る部分が大きく、事業を展開する上ではSIerから顧客にコンサルティングやトレーニングを提供してもらうことが重要と指摘。SIerにLinuxディストリビューションの「SUSE Linux Enterprise」や、Kubernetes管理プラットフォームの「Rancher Prime」といったエンタープライズ向けオープンソースソフトウェアを取り扱ってもらうためには「パートナーにとって魅力的なマーケットでなければならない」とし、ブランディングなどに取り組む構えだ。

　加えて村上カントリーマネージャーは「SIを提供している大手企業とはなんらかのつながりがある。このつながりの中でのルートトゥマーケットを広げたい」と説明。既存のパートナーのSI部分での販路開拓をしていく方針を示した。

　リセールパートナーエコシステムを通じて強固な流通網を確立するため、例えば、パートナーの販促活動を資金面で支えるMDF（マーケティング・デベロップメント・ファンド）を追加するなど、現状のパートナープログラムを順次拡充する予定とした。

　販売面以外でも、クラウドサービスプロバイダーやマネージドサービスプロバイダー、独立系のハード・ソフトベンダー、組み込みベンダーなどとの戦略的な協力を進め、同社の製品をサービスとして提供するビジネスを拡大する。

　このほか、注力する業界についても言及し、製造とリテール、テレコム、金融の4業界を挙げた。
（大向琴音）