アクロニス・ジャパンは5月22日、記者説明会を開き、XDR（Extended Detection and Response）ソリューション「Acronis XDR」を6月から提供すると発表した。MSP（マネージドサービスプロバイダー）の管理・運用負荷の軽減に焦点を当てて開発し、MSPとの協業による市場展開を重視する姿勢を示した。

　Acronis XDRは、同社が2023年5月に発表したEDR（Endpoint Detection and Response）ソリューション「Acronis EDR」を拡張。エンドポイントに加えて、認証基盤「Microsoft Entra ID」や「Microsoft 365」の各サービス、電子メールセキュリティーソリューション「Acronis Advanced Email Security」の情報を収集・分析し、脅威の全容を可視化できる。今後は対応するシステムを拡充し、24年中に米Fortinet（フォーティネット）のネットワーク製品との連携を可能にする予定だ。


　バックアップとセキュリティーを統合した基盤「Acronis Cyber Protect Cloud」上で提供し、各サービスを単一コンソールやポリシーで管理したり、AIによる分析で運用を簡素化したりできるのが強み。MSPが顧客に提供する支援を効率化できるとした。

　併せて、MSP向けのマネージドサービスであるMDR（Managed Detection and Response）を、米Novacoast（ノヴァコースト）とのパートナーシップにより提供する。海底通信ケーブルシステムなどを手掛ける日永インターナショナルが、問い合わせや月次レポートの日本語対応を支援する。MSPは専門人材を配置しなくても自社のセキュリティーサービスの強化が可能だ。

　川崎哲郎社長は、セキュリティー分野でのパートナーとの協業を注力領域として挙げた上で、「昨今の脅威に対応するために必要な幅広い機能を効率的に運用可能にし、パートナーのビジネスを革新する」と力を込めた。
（大畑直悠）