企業間の営業連携支援SaaS「Hiway」を提供するスタートアップのハイウェイは、間接販売を拡大したいベンダーと適切な商材を発掘したい代理店を自動でマッチングする新機能を開発した。ベンダーはパートナーの募集要項を公開し、代理店側は販売したい製品を検索できる。自動マッチングで双方の相性を数値化することで、より高いシナジーを出せるパートナーを開拓できるのが特徴だ。久保文誉CEOは、「パートナーを探すときに経由するプラットフォームとしてHiwayを育てていきたい」としている。
(堀 茜)
久保文誉 CEO
Hiwayは、企業間における営業連携の円滑化に特化。ベンダーと代理店の営業データを安全に連携し、確度の高い営業先の洗い出しが瞬時に可能で、大幅な工数削減が見込める。関係が深い顧客企業を互いに紹介しあうことで、効率的に営業活動を進め、受注率のアップも期待できる。進展状況の共有やステータス管理、営業サポートや連携しての営業活動もスムーズに行える。これまで、間接販売に注力しているエンタープライズ企業から多く採用されているという。
一方で、これから間接販売を始めたいというベンダーからは、パートナーの開拓を支援してほしいとの声が多く寄せられた。久保CEOは「営業において見込み客をどう効率的につくっていくかという部分などを支援してきたが、その前段階としてパートナーをいかにつくるかという部分でも多くの企業が苦労しており、支援が必要と感じた」と新機能開発の背景を説明する。
新機能は、ベンダー側が再販か取り次ぎか、どんなパートナーを募集しているかなどの情報をHiway上で公開。同社が営業支援で活用している全国470万社の企業情報と、独自のアカウントマッピング技術を活用して、ベンダーと関心を持った代理店の双方が持つ営業先の情報などを、詳細を匿名化したかたちで重ね合わせ、既存顧客やターゲット顧客がどの程度重なっているかといった観点で両社の相性をスコア化する。高スコアの代理店とは、パートナー販売で高いシナジーが期待できることから、双方に紹介することで効率的にパートナーの開拓を支援する。
すでにパートナー網を持っている企業でも、より効果的に販売してもらえる代理店を探したいという企業は多く、パートナー募集には多数のベンダーから申し込みがあるという。代理店側にとっては、パートナーを募集しているベンダーや製品を一覧で見られることがメリットとなる。「これまで、ベンダーと代理店のつながりは問い合わせベースだったり、人脈に頼ったりしていたが、当社のプラットフォーム上で、より成果を出せる相手と出会えるようになる」(久保CEO)とした。
ベンダー側のパートナー募集の登録は、当面無償で受け付け、パートナー募集情報は誰でも閲覧できるようにする。同社は自動マッチングからSaaSの有償契約につなげ、パートナーの開拓から営業支援まで一気通貫で活用できる間接販売のプラットフォームにしていきたい考えだ。