米UiPath（ユーアイパス）の日本法人は6月19日、AIを搭載した自動化基盤のアップデートを発表した。独自の大規模言語モデル（LLM）で非定型の文書の抽出が可能になり、文書処理のプロセスが高度に自動化できるようになると説明した。


　請求書などの文書処理のプロセスを一貫して自動化する「UiPath Document Understanding」で、OCRエンジン「Extended Languages OCR」の日本語の読み取り精度を向上。対応言語を292言語に拡大した。また、文書の抽出処理に特化した独自LLM「UiPath DocPATH」を追加。非定型の帳票といった複雑な文書も高い精度で抽出できる。7月にパブリックプレビューを予定する。

　新しい生成AIアシスタント機能も発表した。「Autopilot for Developers」は、自然言語でコードなどの生成を支援し、システムの開発を効率化する。「Autopilot for Testers」は、アプリケーションに搭載した自動化の本番環境への移行前に、テストケースなどを自動で生成できる。それぞれ7月に提供する。今後はプロセスマイニング機能と組み合わせて、自動化すべき業務の発見を支援する「Autopilot for Business Analysts」や、日常業務の自動化を支援する「Autopilot for Everyone」のリリースも予定する。

　南哲夫・カントリーマネージャーは、今後の製品アップデートの方向性として「生成AIを含むAIを自動化基盤に組み込むことで、パターン化された業務以外の自動化も可能になり、顧客の生産性をより向上できるようになる」と強調し、課題の発見や非定型業務などの自動化にも生成AI機能を取り入れると表明した。また「新たなパートナーとの協業を推進し、業界や業種に根ざした自動化を提供できるようにする」と語った。
（大畑直悠）