大塚商会が8月1日に発表した2024年12月期第2四半期(24年1~6月)の連結決算は、企業の底堅いIT投資需要が追い風となり、売上高と各利益は第2四半期として2年連続で過去最高を更新した。大塚裕司社長は同日の説明会で「連結と単体で計画を全てクリアできた。当社が持っている本来のポテンシャルが生き、かなりの好成績になった」と述べた。
大塚裕司 社長
売上高は前年同期比9.3%増の5697億2200万円、営業利益は5.8%増の388億4300万円、経常利益は5.9%増の398億5200万円、純利益は6%増の269億3000万円だった。四半期ごとの推移では、売上高と経常利益は9四半期連続の増収増益。セグメント別では、SI事業の売上高は10.1%増の3855億2100万円となり、2年連続の2桁成長で業績をけん引した。
重点戦略事業は、OSM(Otsuka Security Management)事業の売上高が23.2%増の657億8000万円と好調だった。PCの販売台数は5.6%増の67万8381台で、4~6月は10%増の31万7251台と2桁成長となった。
PC市場の動向について、大塚社長は「私見」と前置きした上で、「Windows 10」のサポート終了に向けたPCの更新需要が徐々に出てきているとし「第4四半期(10~12月)から来年が本番」との見方を示した。コロナ禍に各企業が導入したPCの入れ替えや、AI活用を見据えた買い増しといったニーズも予想しているといい、「トータルの台数はWindows 10への移行のときよりも大きくなることが期待できる」と話した。
連結子会社の業績では、ネットワーク関連製品の販売・技術サポートを担うネットワールドの売上高は、24億円増の655億3500万円だったと説明した。同社が多く取り扱うVMware製品に関し、米Broadcom(ブロードコム)による値上げの影響は「上期(1~6月)はそれほど大きくないが、下期に大きく出ると読んでいる」とし、影響額として5億円のマイナスを想定していることを明らかにした。
通期の業績予想については、1~6月に計画を達成したことから上方修正。売上高は前回発表時から2.8%増の1兆550億円、営業利益は1.5%増の695億円、経常利益は2.2%増の705億円、純利益は2.2%増の487億円に引き上げた。大塚社長は「1兆円の節目をきれいなかたちでクリアできるように下期に挑戦する」と意気込みを語った。
(齋藤秀平)