ネットワールドは10月15～16日、年次イベント「Networld X 2024」を開催した。16日には、3月に就任した芹澤朋斉社長が登壇し、「ネットワールドらしく新しい取り組みにチャレンジして、お客様から必要な会社だと言っていただけるように努力していく」と意気込みを語った。また、イベントでは「ランサムウェア感染時に経営的視点からやるべきことを考える」をテーマとしたセミナーが行われた。
 
　芹澤社長は今後の注力ポイントとして、▽マルチクラウド時代をリードする「スマート・サービス・ディストリビュータ」▽セキュリティー分野への取り組みをさらに強化▽ストレージ・データマネジメントポートフォリオの拡大▽AI／DXプロダクト・プラットフォームへの継続的な取り組み▽仮想基盤における幅広い選択肢の提供―の五つを挙げた。

　セミナーでは、同社執行役員の平松健太郎・マーケティング本部本部長をモデレーターに、同部の大城由希子・事業推進部部長、東京海上日動火災保険の教学大介・火災・企業新種業務部サイバー室専門次長、森・濱田松本法律事務所の蔦大輔・弁護士、GMOサイバーセキュリティbyイエラエの牧田誠・代表取締役が登壇した。

　ランサムウェア攻撃の被害が拡大していることから、蔦弁護士は「この2～3年で企業からの相談が増えている」と傾向を語った。教学次長もサイバー保険への関心が高まっているとした上で、「国内のサイバー保険は、身代金の支払いは補償の対象外になる」など保険の詳細を説明。自社でセキュリティー診断サービスを手掛ける牧田代表取締役は企業システム環境について、「ペネトレーションテストをすると90％以上の確率で侵入できる」と述べるなど、それぞれの立場からランサムウェア攻撃について解説した。

　大城部長は、ランサムウェア攻撃対策に必要なセキュリティー製品を紹介し、「特にどういったデータがどこに保存されているのかを把握するのが重要だ」と見解を述べたほか、経営視点では緊急時のマニュアル作成をはじめとした事前準備を徹底することも重要だとアドバイスした。
（岩田晃久）